■憂鬱アンドロイド/作:真嶋麻言/絵:珈琲/電撃文庫
こういうの好きですね。
短編集っぽい作り方ではあるんですけど、時系列につながっていて。
主人公2人にいろんな人が関わっていきます。
過去の悲しい事件をきっかけとして、自分をアンドロイドと思いこむ少年。
その少年の世話をするために作られたアンドロイドの少女。
少年(正機)は、その少女(茜)を人間と思っています。
まあ、世話というか、話し相手とか友達とか、そういう人間的な関係を築いて、少年の心をサポートしてほしいというのが、製作者の願いでしょう。
ですけど、正機は周りの人からは自分をアンドロイドだと言い張っている変なやつ、と思われてます。
茜は普通に人間と思われてます。
でも実はその逆、という。
ありがちですけど、進め方というか書き方がちょっと凝っていて、途中のいいタイミングで、「あ、やっぱりそうなんだ」と気づかせてくれるんですね。
作者の意図どおりに読めるというか。
また茜は人間的に正機少年を好きになって(なりかけて)いるような描写があります。
そのへんの基本的な設定はすべてありがちで、よく言えば安心できるんですけど。
正機の言動とか、まわりに現れる人たちのちょっと変な行動とか、なにが誰にとって「憂鬱」なのかとか、そういう表現の仕方がおもしろいんですね。
大きなストーリーとしては、少年が本当のことを思い出すというか、正気を取り戻すことなんでしょうけど。
ただ本文中にもあるように、思いださないほうがよいこともあるかもしれないわけで。
まあ、最後まで正機少年はアンドロイドだと思いこんだままなので、まだ話は続けられそうですね。
(H21.11.7)

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