■黄昏色の詠使いV 全ての歌を夢見る子供たち/作:細音啓/絵:竹岡美穂/富士見ファンタジア
一応、第1部?の完結編らしいですが、思ったほどなにかが終わってるわけでなく。。。
ちょっとだけ、期待はずれだったかな。
期待度が高かった、ていうのもあるんでしょうけど。
クルーエルは昏睡状態が続きます。
ただし、今まではなにかわからなかった「声」と、しっかり会話しています。
自分の中に潜むなにか。
まあ、アマリリスなんですが、真精という存在がいまいちわからないですねえ。
シャオもよくわからないままですが、こちらは第2部でメインになるのでしょうか。
アマリリスは、結局何がしたかったのかわかりません。
ネイトには、クルーエルを任せられない、というのはわかるんですが、だからといってアマリリスがクルーエルの意識に割り込んでどうなるんでしょう?
クルーエルの意識を乗っ取りたいだけのような感じでした。
最後のアルヴィルの発言もそうですが、アマリリスは悪者だったのかもしれませんね。
で、心の中でのクルーエル×アマリリスの会話が飛び飛びに続きますが、アマリリスが折れたところがちょっと弱いかなあ、と思います。
ネイトが幼い想いを伝えたこと、それがクルーエルの心の中に届いたからなんですが、そうじゃなくて、ネイトがどのような少年なのかを伝えることでアマリリスが手を引くようにしてほしかったです。
それはクルーエルの思うネイト像を羅列するのでもよいです。
現実のネイトの行動を見さすのでもよいです。
どちらにしても、「ネイトの言動」をきっかけにしてほしくなかったです。
まあ、後はいいんじゃないかな。
イブマリーがこそっと詠び出されていたのは、とても奥ゆかしい感じですごくよかったですし。
ミオもサージェスもオーマもしっかり個人を発揮して活躍してくれたのもよかったですし。
サリナが、トレミア・アカデミーの教師に目をつけたところもよかったですし。
あ、そういえば灰色の名詠生物が出てきた経緯がよくわからなかったです。
敗者の王さんの過去もどうなんだか。
他の人とくらべて特別なんかづごいことがあったわけでもないような気がしました。
その行動がだんだん変わってきた意味もよくわからなかったですね。
それと、説明文で、いかにも最終回的な雰囲気を演出しているのが、どうかなーと。
わざとそんな文章は入れてほしくないです。
状況の盛り上がりとか、人物の行動とかで意味を表現してほしいので。
とはいえ、やはり全体的には悪くないんですけど。
クルーエル、ミオ、ネイト、エイダとイ短調メンバーのからみはきれいでおもしろいです。
最初からとおして、大人の描き方がすごくいいんですよね。
まあ、実際あんな人たちばかりではないんですけど、でもここに出てくる大人は、性格と役割がはっきりしているし、巻ごとに取り上げる人物もはっきりしているし。
近くにいたらいいだろうなーという人たちばかりです。
あとは関係者ではない、サージェス、オーマの存在もよいです。
もうちょっと他のクラスメイトを出して欲しいですけどね。
そして、最後にアーマとクルーエルのやりとりですね。
この物語、映画にできんかなー。
夜色ってなんだか素敵な感じですね。
赤はアマリリスにフェニックス。
空白。
灰色。
キャラを色分けするのはよくありますが、色に意味を持たせたのはとても素敵なことです。
そしてやはりイラストが最高ですね。
きれいで繊細で、弱弱しくて、幼くて、前を向いていて。
んで、どうやら作者さん的には、ネイトが成長していく物語ということらしいですね。
でも最初に1巻を読んでしまったので、僕はどうしてもイブマリー、カインツ、クルーエル、ネイトの4人の物語にしか思えません。
ということで、ちょっと肩透かしだったけど、がんばったネイトくんに拍手、そして祝!クルーエル復活、でした。
(H20.8.9)