朝起きると、もうみんなは後片付けや、山の用意をしている。
私はというと、呑み過ぎで身体の動きがパッとしなく、のろのろと動いて焚き火にあたるだけという情けない状況だ。
「あ〜、呑みすぎた!」今日の登山は辛そう。
今日登る山は「無類岩山(1613m)」です。
テン場から、武利川左岸の林道を戻り、一四ノ沢沿いに続くホロカ林道をドン詰まりまで走る。季節と天候からすると武利岳登山の車が入ってきそうなものだが、幸い車とすれ違うことはなかった。なんたってこちらの車の台数は考えられないほど多く、すれ違うことは容易ではなかっただろうから。
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10/25

08:13 cnt.810m いよいよ登山開始。
林道終点に車を置き、法面を攀じ登ると若木が生えた作業道が一四ノ沢左岸に延びている。
若木を縫うように歩くが、暑い! 何を考えていたのか私は厚着のまま歩いているし、昨晩の酒がたっぷり詰まった身体からは、酒臭そうな汗がどんどんと出てくる。10分も歩いていないというのに脇にそれてみんなをやり過ごし、余分な衣類を脱いで集団に追いつくと他の人たちも余分な服を脱ぐところだった。
「朝は、超寒かったからな〜」

cnt.950mあたりからルートは沢の中に入って行く。一四ノ沢ってのは本流で地形図に水線まで引いてあるのに長靴でまったく問題なし。
今年は殆ど沢に入っていない身ではあるが「もう少し何かアクセントが沢にあってもいいんじゃないか?」と思っていると前方に滝らしき落ち込みが見えてきた。期待して登っていくと滝というより単なる段差だった。後にも先にも滝らしいものはここだけだった。

08:55 滝らしきものを登ったところが、1060m二股でした。ここで休憩です。空には雲など一欠片も見当たらず、風もほとんどない。
さっき薄着になったはずなのにまだ暑い。二日酔いの影響なのだろう。kurikiさんに「この先の藪はどう?」と聞くと「marboさんには大した事無い」という返事だ。私はここから半袖Tシャツとなって歩くこととなった。

左股に入るとスッキリとしたV字状に沢は上流にむかっている。
後から「氷の華が綺麗ね」って声がする。そうなのだ、日陰となった水流の両脇は凍って氷の華となっているのだ。

ポンポンとリズムよく沢を飛び石伝いに登っていたのだが、頭痛がしてきた。これは私の二日酔いの特徴で、朝は何ともなくても、行動しているうちに頭痛がひどくなってくるのだ。きっと汗で血液中のアルコール濃度がグ〜んと高くなり、脳に影響を与えるのだろう。そして歩く脚も重く感じられるようになってしまった。


09:35 cnt.1200mあたりからは両脇の雪が多くなってきてcnt.1300mでは完全に雪の上を歩くことになる。
途中、後ろから「あれは斜里岳ですか?」と声がかかった。振り返ると霞の上に斜里岳、藻琴山、そして羅臼の山なみが見えている。真っ青な空と霞にはさまれて聳える斜里岳はカッコイイ!「斜里岳はどっから観ても男前だ」

1320m二股を右に進むともうそこは沢というよりも、山腹といった感じになってきて、笹を押し倒すように被った雪のせいで歩きにくい。雪を破った脚の下は下向きに折り重なった笹となっていてスパイク長靴でも滑ってしまう。
ただ救われるのは登るにしたがい、雪が多くなってきて歩きやすくなるってことだろうか。

前方の疎林の先に真っ白なスカイラインが見えてくる。他の人には言わなかったが、身体が重く、頭痛はひどくなるばかり。「早く頂上に着きたい!」
「あれが頂上稜線か?」

先を行く人が「どっこいしょ」って感じで稜線にでるなり立ち止まる。立ち止まらなきゃならない何かがあるんだ?
私も続いてどっこいしょ!「すっげ〜!」稜線から顔をだし、反対側の景色が目に入ったとたんに動けなくなるような絶景が広がっていた。

10:42 稜線に出てすぐに「無類岩山」の三角点に着いた。これでもう歩かなくたっていいのだ。ザックを放り投げ三角点のそばに座り込む。
後続もどんどん上がってきては、絶景に感嘆の息をもらす。最高だったのはF女史か?稜線にでるなり「わ〜、きゃ〜、すご〜い」感激の言葉はしばらく止まず、そのまた後続の人達の期待をあおる。
とにかく凄い景色なのだ。紺碧の空に沢筋を白くした武利岳、ニセイチャロマップ、支湧別岳が間近に迫っている。そして目を遠くにうつすと、大雪、北大雪の山々のほかに阿寒、斜里岳、知床の山々まで見通せる。
誰もが大満足の頂上はいつまでいてもいい感じ。無風、快晴の中、ピークビールも格別で、たっぷり1時間も滞在してしまった。
11:50 下山開始、三角点から見えていた南のピーク(仮称、無類岩山南峰)経由で下山する。思ったとおり南峰の方が何mか高いし、見える山々のカッコもいい。

信じられないほど急な南峰東壁をみんなどんどん降りていく。走って降りているわけじゃないけれど、12:45には1060二股まで降りてしまった。
一休みのあと作業道跡を使って沢をショートカットしたが、必要なショートカットだったかわからない。

13:11 沢に戻り、若木の林道を歩いて、あっというまに車止めです。
今回の幹事となったyosidaさんの挨拶で今年の薮山祭りも無事終わりました。あの人とも、この人とも、また来年のこの時期に顔をあわすことになるのでしょう。

なごりおしい感じもするけれど、充実の山行の余韻を引きずりながら温泉に直行です。
***この山行に参加して***
今回は、前夜祭に29名、登山に27名という大パーティでの登山となった。私的にはめったにない大パーティでの行動だったが、力のある人達ばかりのパーティは気を使わないですむ。不謹慎な言い方をすれば、山中で2,3人見失ったってちゃんと下山できる人達なのだ。個人的に、お初の人も何人かいて、藪山というキーワードで集まる個性的な人達のはずなのに、単なる寄集め的パーティという気がしない。
年に一回しか会わなかったりするのにweb情報などで各々の動向を知っていたりする為なのだろうか?
まぁ、来年も藪山愛好家のお祭りには参加するだろうが、来年こそは自慢のできる藪山を落して参加したいものだ。
それと無類岩山も、昨日の奴振も、「剱岳点の記」の柴崎芳太郎測量官が選点測量した三角点だったというのだ。1916年の事らしいが、当時はこの山に近づくだけでも大変なことだっただろう。いつも思うのだが、昔の人にはかなわないな〜!
***一緒に登った仲間***
・「K山岳会」のyosidaさん、kirikiさん
・
「地図がガイドの山歩き」のsaijyoさん、チロロ2さん
・
「甘藷岳山荘」のあまいものこさん
・
「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」のyamauchiさん
・
「秘境日高三股へようこそ!」のtakayanagiさん
・
「がんばれ、私。」のluckyさん
・「新版:ガイドブックにない北海道の山々」の八谷夫妻
・
「山の時計」のEIZIさん
・旭川からoginoさん
・いつかアルバムを見せてもらいたいKo玉さん
・キノコ博士のキンチャヤマイグチさん
・fujimoto@低山大好きさん
・北野からsugawara夫妻
・北見枝幸の食糧庫kituiさん
・清田のsatohさん
・todateのもっちゃんさん
・池田のsyunichiさん
・Aketaさん
・Sakakuraさん
・Kbayasiさん
・Nakayamaさん
・Torimotoさん
・そして私
「大好き!Mt.Onne」のmarbo
※ 順不同で27名です。抜けている人がいたらごめんなさい。
※ この日の各HPの山行記は下記のとおりです。
■「 がんばれ、私。」の山行記へ
■「秘境日高三股へようこそ」の登山記へ
■「ゆっくり歩きで低山を楽しむ」の山行記へ
■「地図がガイドの山歩き」の山行記へ
これらの記録を見て来年は無類岩山がブームになるかも?
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