例年なら、残雪期の長靴登山が終わり、岩登りをやって、それから“沢登り”という順番なのだが、今年は先週に雪山登山を終わったばかりだというのに、もう沢に入りました。
今年の沢初めとなった沢は、遊楽部川支流の鉛川に流れ込む沢から岩子岳(801m)です。
この山、地元岳人からは“道南マッターホルン”と呼ばれている、尖り山だ!
私はスパイク長靴でOKだろうとナメていた沢。とりあえず沢靴、ハーネス、ロープ、ヘルメットという通常の沢装備で出かけたが、この沢はバイルも必要な沢だった。
泥付斜面を想像していた私以外の3名は、ちゃんとバイルを用意している。事前情報のない沢に行くときには、とにかくフル装備で行かなきゃダメなんだな〜!
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5/10
八雲温泉前での車中泊から眼が覚めた。numaを待って清流橋に移動する。07:15 いよいよ今年初めての沢遡行の始まりだ!
天気はいいが上空に来ている寒気のため気温は高くはない。みんな脚を沢に入れたくは無い様で、あっちへ行ったり、こっちへ行ったり。それでもKo玉さんのハイペースがみんなを引っ張っていく。

20分ほどで210m二股となるが、まだ私は「長靴でもOK!」って認識のまま歩いていた。しかし右股に入り少し歩くとダンダン渓相がいやらしくなってくる。両岸の尾根は高く急になってくるし、左右から大きな沢が合流していたりで、長靴登山のルートでは無く“本格的な沢登り”のルートとなっていった。

08:20 280m二股に着く。ここは左股が涸れ滝となっていて、目指す右股は登ることの出来ない滝(約7m)となっている。右岸の草付を順番に登り沢身に降りて前を見ると今度は3mの滝だ。

簡単な滝を登ってみると正面に10mを超える黒い直暴がかかっているじゃないか!「ここを進むのか?」ってびっくりしたがルートは右に曲がって長い滑滝となっている。ここは300m二股だ。

08:37 出てきました。こんなのがあるんじゃないかと予想はしていた雪渓。雪渓が切れ320m二股の右股はけっこうな滑滝となって合流している。そして進む方向の左股はスノーブリッジの先に嫌らしい滝がかかっているのが見える。
スノーブリッジを覗き、下を行くか上を行くか思案するが、この滝には取り付けないと判断し左岸の泥壁を登って巻くことにした。
バイルを持ちスパイク地下足袋を履くcyuuさんは泥と潅木をうまく繋いで登っていく。他のメンバーもバイルを出して斜面を登って行くが、バイル無しでフェルト底の私は怖くって登れない。Ko玉さんにロープを出してもらい斜面を登り、沢身に降りるときも、ロープを使って降りた。沢初めで異常に臆病になっているようだった。
09:10 cnt.350m この先は水が少なく汚い滑となり、水温は温く感じてくる。いよいよ藪に突入するのか?沢形はどんどんネマガリの急斜面の中に消えていった。


両手、両足を使わなければならない急なネマガリの藪は背丈をはるかに越える高さがあり、目線は地面に近い。所々に筍が出ていて、普段山菜採りなどしない私も手を伸ばし「一回分のおかずに!」と採りながら歩いていたが、徐々にそんな余裕など無くなってくる。
藪は延々と続き、ピークから東にのびる尾根上cnt.600mに出たときは、10:40 にもなっていた。
だけどここからも藪はおさまらない。私の感覚からすると「急斜面の縁は藪が薄い」「ピークに近づくにつれ藪は薄くなる」と思っていたのではあるが、いっこうに藪は薄くなることはなかった。
地形図上でも、cnt.700m からの傾斜はキツイ!そして南斜面は登攀具を持っていたとしても登る事など出来ない不安定な岩質の絶壁となっている。怖いので少し北寄りを登りピークを目指す。


11:57 岩子岳(801m)のピークに到着した。ここのピークはちょっと変わっている。今のこの時期のそれもラッキーな人達にしか見ることの出来ない景色。
どんなのかって?ここのピークの周りには桜の木が生えているのだ。私達が登頂したこの日は運良く桜が満開だったのです。藪の急斜面で嫌々登ったくせに、桜の花を見ただけで“徳をした”気分になるんだから桜の花には特別な力が潜んでいるようです。
(写真が無いのが悔やまれる。携帯で撮った写真はピンボケ。)

ピークにこだわるKo玉さん、三角点探しが始まった。私には何て事のない地面も彼にかかると特別な場所になってしまう。測量以来だれも見たことのないだろう三角点をGPS無しで、地中5cmの中から掘り当てたのだ。前から思っていたが、彼には三角点の匂いを嗅ぎ分ける臭覚が備わっているとしか思えない。あの石はどんな匂いがしているのだろう?

12:30 ゆっくり休んで頂上を後にする。滑るネマガリは気を抜くとあらぬ方向に導かれてしまう。降りすぎてはトラバースして尾根に近づき、また降りすぎては登り返す。
藪の中の記憶なんてあてにはならない。早く藪から脱出したいあまり手前の沢形を降りてしまったようだ。おかげで巨大な“カバノアナタケ”を採取する。

15:23 結局、下山ルートは往路とは別のルートとなってしまい、朝に見た280m二股の左股の涸滝に出てしまった。滝の左岸を巻いて懸垂したが、まだ誰も280m二股とは気づいていない。自分達の登りの足跡を発見してようやく朝の往路に合流したことを確信した。私も写真を見てようやく記憶が蘇ったくらい。
あとは難しいところは無い。どんどんと降って途中でcyuuさんが蕗を採ったりしながらも、16:40 車に到着。何時間もの薮漕ぎをした身には、最後の車道に出る薮も嫌でしかたなかった。
***山を降りて***
この山をみんな甘く見ていた。計画書では14:00には山行を終了している予定だったが、結局2時間40分も余分にかかってしまった。9時間半の行程のうち5時間以上は薮漕ぎをしている。
おかげで私の両手、両足はキズだらけで鞭で責められたみたいになっている。
そしてこの日、私はデジカメを忘れてしまった。記憶を写真のデータに頼っている身としては、甚だ疑問が残るこの山行記となっている。
「この記録はあまりあてに出来ないものだ」との前提のもとに読んでもらいたい。
***収穫***
歩きながら採った筍、翌日には“筍ごはん”になりました。
冗談のように手に入れた“カバノアナタケ”義母が毎日飲んでます。
cyuuさんの蕗も美味しかったって。
***メンバー***
リーダー:numa
メンバー:Ko玉、cyuu、marbo
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