仕事が終わってから車を走らせる。
最近の私は前日までに山の準備を終わらせることができない。今日も帰宅後に準備を始めて、家を出たのは22時をまわってしまっていた。
今回の私の予定は、土曜から十勝岳に登っているパーティと白銀荘で合流して富良野岳北尾根を登るというものだ。
合流予定の白銀荘駐車場に2時少し前に着いて“とりあえずビール”としたが気温が高い感じがする。ここは1000mを超えた山の中だというのに。
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3/22
05:00 少々寝足り無いが、おにぎりを腹に入れて山の服に着替える。合流したメンバーは二日酔いの症状もなく、予定より早く“バーデン”の駐車場に移動することになった。
06:00 予想通り気温は高い。暑がりの私はヤッケを着ないで山行開始だ。

堰堤上部を渡渉して広い尾根に取り付き、視界の開ける稜線に出た頃に十勝岳方向を見ると、OP尾根から太陽が顔を出すところだった。「なんだか暑くなりそう!」

尾根上の雪は固くスキーがスリップする。ここ何日かの暖気で溶けた雪の表面が固まっているのだ。ほとんどのメンバーはスキーアイゼンを装着している。表面が硬く、アップダウンの少ない山では有効なギアのようだ。
熊ぷ〜さんはcnt.1350mくらいではやばやとスキーを脱いでスノーシューに履き替えた。私も迷ってしまう。「ズボズボ埋ってもいいからスキーを脱ごうかな?」この先の傾斜を見たらスキーの下手な私は降りられないのじゃないかと思ったからだ。
でも降りるのはべべルイ沢を降りるという。tsuboiさんが「よだれもんの斜面だよ!」とそそのかす。そこまで言われたら「俺もよだれをたらしてみっか?」もう少し頑張ってスリップに耐えることにした。

08:05 cnt.1500m ここでスキーを脱いでアイゼン+ストックで登ることにする。元気いっぱい。私はアイゼンを履くと急に元気になるのだ。
08:40 ピークが見えないまま、けっこう急な尾根をつめていくとその先に尖がった岩が見える。ホコ岩だ!斜里岳北稜の大槍くらいの大きさに感じられる。手前でストックをピッケルに持ち替えて近づいていくと何てことのない尾根だった。尖がって見えるのは切れた西面のみで、クライムダウンする北面も2mほどのガバルート。心配して損をした。

ここまで富良野岳北尾根の全容は見えなかったが、ジャイアント尾根との合流あたりからはよく見える。所々に出ている露岩の処理が難しそうにも見えるが、正面から見るとどんな尾根でも急に見えるのだ!念のためスリングで簡易ハーネスを用意して行ったが、心配するほどのところは最後まで現れなかった。
09:45 cnt.1750m ここから一気に高度を上げる。ギザギザの岩の西を巻き、強風で視界がない厳冬期なら怖そうなナイフリッジを越え、凍っていたら手強そうな斜面を登るとピークがすぐそこにある。
先行するメンバーが青空をバックに頂上に立つ姿が見える。脚がつりそうになっているtsuboiさんの跡に就きゆっくり頂上を目指す。


10:12 富良野岳(1,912m)の頂上に着いた。登っている最中も、隣の上ホロや三段山、尖った十勝岳を眺めながらの登山だったが、頂上からの景色は格別だ!。360°どちらを見ても好い景色。そして南斜面に腰掛けると無風でポカポカと暖かい。
みんなそれぞれに頂上を楽しんだ。昼寝、腹ごしらえ、山頂メール。ただ一つ、ピークビールを持ってきていなかったのが悔やまれてならない。
10:52 頂上をあとにする。降りは飛ぶようにと思ったがそうはいかない。ほんのチョッとの間に雪は腐ってアイゼンにダンゴが着く。凍っていても怖いが、腐っていても怖い。そして、太陽を背にして降っていると、頭が燃えるように暑い!雪の反射の照り返しもすごいけれど、ピーカンの直射日光が容赦なく降り注ぐ。


11:25 ホコ岩のてっぺんに人が群がっている。「何をやっているんだ?」ここはルート上で邪魔だ!よっぽど注意してやろうと近づくと、上がってきたけれど降りられないビギナーをロープを使って降ろすところだった。こんなのに関わっていられない。そそくさと降りていこうとしたら「このストックは貴方たちの?」って聞かれた。「そう、後を歩いている人のだよ。」って答えた。彼らの休憩している荷物の間にyamauchiさんのストックがおいてある。
「まさか忘れるわけないよな〜!」って思っていたが、そのまさかがおこった。cnt.1500mでアイゼンを脱ぎスキーに履き替えようとしているときに、「yamauchiさん、ストックは?」「あッ、忘れた。」ここから200mを登り返しストックを回収しに行くハメとなってしまった。そして熊ぷ〜さんは私達より100m以上も下にスキーをデポしている。携帯電話で事情を話すと「先に駐車場まで降りている」とのことだった。
往復35分のロス、まさかはこれだけでは終わらない。山行の最後にアクシデントが発覚するのだ。
12:45 私たちは雪が重くなったコンディションの悪いベベルイ沢を滑りおりる。“シュ〜”っとはいかない。私はスキーが下手な上に、苦手なプラブーツなのだ。
それでも、下手は下手なりに楽しみながら沢を滑る。天気が良くて明るい沢はとっても気持がいいのだ。
13:25 トラバース気味に北尾根に入り、最初の渡渉点に着いた。ここの堰堤からは今登ったばかりの富良野岳が青空の中に聳えている。みんな大満足の、いい山行を終わらせることができました。
「あれっ!」堰堤から道路にあがり、バーデンまでいって“?マーク”熊ぷ〜さんの車があるけれど、当の本人がいない。携帯電話で連絡をとると、沢を降りすぎてしまった様で車道を歩いているとのこと。
バツの悪そうな顔をした熊ぷ〜さんが現れたのは、そんなに後ではなかった。(これが最後のアクシデント)
「こんな時にかぎって、知人に2人にもあってしまった。」ってぼやいている。エキスパートの熊ぷ〜さんでもこんなことがあるんだな〜。
***今回の山で***
何だかんだ、今年の最高峰を最高の天気の中登ることが出来て、ラッキーだった。
雪融けが思ったよりも早くって、恒例にしている斜里岳の遠征がどうなるかわからないなか、楽しい人たちと登山としての面白さのある北尾根を登れた。少々むりをしてこの山行に参加して本当に良かったと思った。
いつも天気の悪い中登山をしていて、「こんな天気でも、山が好きだから。」とか「こういう天気の時の山行のほうが、後で伝説になるんだよな〜。」とか嘯いていたけれど、山はやっぱり天気が良くなくっちゃだめだね!
この目に焼きつく景色ってのは、忘れよたって忘れられない。
***メンバー***
リーダー:yamauchi
メンバー:tsuboi,ucchi,kohata,kumaphoo,kuriki
そしてmarbo
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