本日7月3日か、あす4日(金)は、民主党川崎市議団の視察です。
今回は北海道の苫小牧市と札幌市に行政視察を行います。
来週の7日からは洞爺湖サミットを控えて、羽田空港でも千歳空港でも厳戒態勢がひかれ、物々しい雰囲気での視察となりました。
さて、本日、苫小牧市の視察項目は以下のとおりですが、ブログ内では「下水道汚泥の高濃縮化技術」について報告します。
◎視察項目
・汚泥重力濃縮技術について
・石油コンビナート区域における防災対策について
・市立病院について
・苫小牧市テクノセンターについて
・白鳥アリーナについて
<苫小牧市、下水道汚泥の高濃縮化技術について>
■苫小牧市の下水道の概要
昭和25年の集中豪雨(447.9mm)による気象災害を契機に、昭和27年から市内中心部を対象に事業着手し、昭和34年には簡易処理ながらも北海道初の終末処理場である浜町処理場の運転を開始しました。
その後の市の発展にともない、昭和43年には西部地区を対象とした西町処理場、昭和54年には東部地区を対象とした勇払処理場の運転が開始され、現在は市内を3つの処理区に分けて汚水処理を行っています。
■西町下水処理センターの概要
今回、西町下水処理センターの視察をおこないました。近隣の住民と交流できるようにと、周囲には高いフェンスなどなく、開放的な空間となっていました。
昭和43年に供用開始され、現在は市全体の約4割、処理面積にして約2,148haから排出される汚水を浄化しているとのこと。
昭和50年から、他処理施設から発生する下水道汚泥の一括処理を行っており、緑農地利用やセメントの原料、コンポスト化(肥料)などを図り100%の有効利用を行っている。
昭和58年度に初期のガス発電設備を導入、平成17年度には、発電設備の更新を図り、処理センターが使用する電力量の約4割を発電し、下水汚泥の消化ガスの活用にも努めているとの事である。

開放的な空間です。
■汚泥重力濃縮技術の概要
下水処理場において、下水汚泥を濃縮する濃縮プロセスは後続のプロセスの成績を大きく左右します。
この汚泥重力濃縮技術の原理は、垂直にみずみち棒を取り付けた濃縮汚泥掻寄(かきよせ)機を、低速回転させることで、負圧となったみずみち棒後部に液体が通りやすい「みずみち」が作られます。これにより、汚泥の粒が水と置き換わり、水より重い汚泥の粒が沈降し、汚泥が濃くなるというものです。
土木研究所は、下水汚泥中の粒子の沈降機構の解明をおこない、効率的に高濃度の濃縮汚泥を得る技術を開発したのです。この開発により、
・第1回ものづくり日本大賞
・第7回国土技術開発賞優秀賞、を受賞しました。
また、下水消化ガスの活用と発電技術により、
・第16回いきいき下水道賞、を受賞しました。

消化タンク
■導入に要した期間・費用と効果
平成12年度に旧汚泥掻寄機の故障により更新をする際、土木研究所の技術の紹介を受け、実機への導入のための実験を行いました。
期間はおよそ3ヶ月程度かかりました。平成12年、13年に実機へ導入し、費用は約1億3,000万円(2槽分)を要しました。
効果は、主に汚泥脱水業務の維持管理費で約2,200万円/年の節減となり、約6年で工事費を回収できました。
残念ながら、汚泥濃縮槽の設備棟には、中の臭いが強いとのことで、内部を見学することはできませんでした。

ガス前処理装置
■汚泥処理で発生した環境対策の取り組み
重力濃縮技術によって汚泥濃度が高まり、その結果消化ガス量も増加しました。これをガス発電機の燃料とすることで、購入電力量が削減されました。また、機械式の汚泥濃縮機と比較すると、CO2の削減にも繋がるとのことです。