宮前区、高津区を中心に高齢者の「地域における生きがい事業」に取り組んでおられる「虹の会」の皆さんから講演会の依頼を頂きました。
テーマとしてご依頼を受けたのは、後期高齢者医療制度や介護保険制度など、ご高齢の皆さんが一番不安をお持ちのものでした。
後期高齢者医療制度の背景には医療費の総抑制という基本的な考え方があること、次に、昨年までの老人保健法は制度を運営する財源の仕組みが曖昧であり、基本的に現役世代の負担が大きかったこと、などの概要をまず説明して、それから後期高齢者医療制度本体の内容についてのポイントをお話しました。
「病気になってからの医療」から「病気にならないための予防医療」を標榜するこのたびの医療制度改革で、検診制度がこれまでと大きく変わりました。
ところが、病気にならないための「保健指導」の対象は40歳〜74歳の市民が対象で、75歳以上の方々は「保健指導」の対象になっていないのです。
75歳以上の方々は「後期高齢者健康診査」を無料で受けることができますが、その周知のあり方が曖昧であること、さらに、今まで頻繁に行われていた血液検査などが医療費抑制の目的のために医師の判断がなければ受けることが出来なくなってしまったことなど、後期高齢者医療制度になってからの大きな制度の変更についてお話しました。
とにかく、かかり付け医をしっかり決めて、自分で健康診査をまめに行うしかないのです。
さらに、川崎市の国民健康保険の事業として行われていた「温水プール無料利用」や「トレーニングルーム無料利用」などのサービスが75歳以上の皆さんが受けられなくなった理由についても説明いたしました。
75歳以上の高齢者は、川崎市の国民健康保険から切り離されて、県の広域連合による後期高齢者医療制度に組み入れられてしまったので、川崎市の国保事業の対象にならないからです。
しかし、健康管理のためにプールを利用してきた高齢者の方々から制度の見直しについての要望は大変大きく、この部分だけでも川崎市の「市単独事業」として川崎市の補助金で賄うことができないのか、議論を続けていることなどの説明などもしました。
次に、介護保険制度について。特に、特別養護老人ホームの整備が進まない現状、また、介護保険関連施設で働く方々のワーキングプアの問題などについても話をしました。
国が介護保険会計の支払いを抑制するため、大規模な特別養護老人ホームを作らせず、「地域密着型」と称する29床以下の小規模な特別養護老人ホームについてのみ補助金を出す、との方針転換が大きな障害になっていることを説明しました。
また、小規模の特別養護老人ホームは、大規模の特別養護老人ホームと人員配置については実態として大差はないにも関わらず、ホームの入所者の違いにより収入が激減し、なかなか満足のいく運営が成り立たない。さらに、人件費の圧縮という形で施設経営のしわ寄せが介護職員などに来ている実態などについても説明をしました。
川崎市は、全国15の政令指定都市の中において、平均年齢40.3歳という一番若い都市です。
しかし、高齢化に向かうスピードも大変早いという特徴を持っていますので、継続的な、さらに迅速な高齢者施設整備は欠かせません。
本年度いっぱいをかけて、次期介護保険事業計画・高齢者保健福祉計画の策定中がされます。
グループホーム、ケアホーム、ショートステイ、特別養護老人ホームの整備のあり方について、議論を進めて参ります。
