昨日にはニュースになっていましたが
9/12午前10時「小惑星探査機はやぶさ」が小惑星「イトカワ」の軌道に乗りました。
現在の「はやぶさ」は地球から319,750,600km、
イトカワまで20kmの距離にほぼ静止しています。
地球からの距離は刻一刻と変化しており、
JAXAのサイトでも
その変化を確認する事が出来ます。
この後約2ヶ月間、「はやぶさ」によるサンプル採集や地形測定を含む
イトカワの詳細な科学観測が行われる予定です。
10月中旬には太陽光が横から入射する位置からの観測を行い、
11月にはターゲットマーカと小型探査ロボット「ミネルバ」を投下、
降下と着陸および試料採取が行われます。
このミッションは小惑星サンプルリターン計画といって、1986年にはその考案がされていました。
その時点では時期尚早であり、プロジェクトとしては持ち上がらなかったものの
着々と温められた計画は2003年5月
「第20号科学衛星MUSES-C(後の「はやぶさ」)」の打ち上げで表舞台に姿を現しました。
他の計画のような大型ロケットを使わなければ成し得ないサンプルリターン計画を
小型の探査衛星で行うために「はやぶさ」は主推力機関として
高性能のイオンエンジンを採用しています。
小型探査ロボット「ミネルバ」は降下の様子を伝えるために地球に電波を送りますが
電波が地球に届くのに10分以上掛かるため、地上からの操縦が不可能です。
「ミネルバ」は航法用カメラとレーザ高度計を用いて、
自分と小惑星の位置を確認しながら自律降下します。
逆噴射ジェットを使うと小惑星表面を汚してしまうため、降下の最終段階は自由落下を利用します。
小惑星表面では重力が地上の10万分の1で、探査機を固定するには小さすぎる上に、
小惑星の表面の具体的な状態が判らないため、サンプルの採取にあたっては
重さが数グラムの金属球を秒速300m位の速度で打ち出し小惑星の表面を破砕させます。
この時、金属球を送り出す筒と破砕面とをサンプラー・ホーンと呼ばれる覆いで囲っておきます。
飛び散った破片はサンプラー・ホーンから探査機内の収集箱へ集められます。
12月には調査・採取を終え、地球に向けて再度イオンエンジンが運転されます。
2007年の地球帰還時には、再突入カプセルが探査機から分離されて地球大気に突入します。
カプセルからは信号が出ていて、それをもとに地上で位置を割り出してサンプルを回収します。
その時が楽しみであると共に、このミッションが成功する事を心から期待しています。