2005年11月24日読売新聞朝刊2面「携帯サイズ音声翻訳機」を読んで
いよいよ実用的な翻訳機が実現するようだ。携帯に組み込めるのならば申し分ない。数年後の実用化を目指すとのこと。実現したら何が変わるのだろうか?
実用的な翻訳機が実現した時起きると予想していることがある。それは言葉の標準語化だ。つまりまず翻訳機が聞き取れないような発音をする人が矯正を要求されるだろう。そして言葉の使い方も標準に合わせないとトラブルになることが予想される。これは翻訳機が人間の使う言葉に合わせるのと同時に、人間の方も翻訳機に合わせて言葉を選ぶ必要が出てくるからだ。つまり言葉の使い方についての一つの基準を作ってしまうことになるだろう。
これはそもそも外国語を翻訳する行為自体が翻訳文化と呼ばれる領域を作ってしまうことからも理解できるだろう。つまり基準が出来ると、その後はこれに沿って翻訳が行われるようになる。翻訳機でも同じことが起きると予想される。電気製品のマニュアルなども多言語化が進んでいるが、翻訳機はそれを加速し、「異文化間の交流マニュアル」を作成するきっかけになると予想している。つまり翻訳する以上、相手の文化との交流を橋渡ししているのだから。
実のところ、これは日本語同士で会話する時にも欲しい機能なのだ。つまり相手の使う言葉が理解できない時は辞書を引きながら会話しているが、翻訳機とは、辞書を引かないでも会話できるように考案されたもののはず。つまり同じ言葉を使っている場合でも便利なものになることが予想される。最初は不慣れな言語を利用する人向けに開発されるだろうが、外国語同士の方が意思疎通しやすいなどという状況が放って置かれるはずもない。同じ言葉の場合も使用できる「文化交流(意思疎通)機」がいずれ実用化されると思っている。
需要は間違いなくある。他人と意思疎通ができないと悩んでいる人がどれだけいるだろうか。犬語の翻訳機すら売れるのだ。理解できないあの人と意思疎通できる機械があったら売れるに決まっているのではないだろうか。まだそういう発想自体が存在していないが、トラブルは外国だけで起きるわけではないことに気づけば発想は容易だろう。それにこれはインターネットにこそ採用して欲しい技術だ。既にその初歩的なものは存在している。例えばネットゲームなどでは挨拶など基本的なものをメニューから選ぶことができるものが現れている。
そして何と言っても「顔文字」がそうだ。これが文章での意思疎通を容易にするために使われ始めたことには異論がないだろう。これを文章表現にまで適用範囲を広げればいいのだ。それを辞書機能がバックアップする。膨大なデータベースを元に人と人の意思疎通を支援してくれるシステムがあればどんなにかトラブルを減らすことができるだろうか。これが全世界規模で、多言語展開しながら進行するのである。インターネットの利点を最大に生かす方法ではないだろうか。
このような技術が未来のインターネット及び我々の利用する携帯に搭載されることを希望している。以上