基地外みたいに思われるとアレなんですが、私は、持病として単極性障害と言われる類の鬱病を患っています。
とはいっても、まあ、そんなに珍しい病気ではなく、自覚のない患者さんも相当な数にのぼっているそうですが。
基本的には、全くの健常人と同じように生活を送れますし、鬱病とは思えないほどに活発に活動できます。が、何らかのストレスをきっかけに、病的な鬱状態に陥ってしまう病気で、躁の状態を間に挟まないことから、双極性障害(躁うつ病)に対して、単極性障害と称するそうです。
私は、毎年ある季節が訪れる毎に、軽症〜中症の鬱状態になります。初春、いや正しくは暦の上では春の終わり、3月です。これは、医師に指摘されたことではなく、今この記事を書いている時のように症状が比較的軽くなってある程度客観的に自分の過去を省みれるようになったときに、毎度気付くことなのですが、いわゆる燃え尽き症候群である、と私自身は分析しています。
うつ病なんて単なる甘え、私自身、そう考える時期があります。それは、鬱状態のときです。鬱状態のときに、自分の状態を考えると、どうも、単なる甘えのような気がして仕方がないのです。後述するように、冷静に省みると、相当異常な状態なのですが、鬱状態のときの無気力症状が、どうしても単なる甘えに思えてしまって、弥が上にも自分はダメな人間だなと思うようになってしまうのです。
しかし、今のように、ある程度冷静に反省できるようになると、どうも単なる甘え、単なる怠け、では説明がつかないことに気付くのです。いくつか私が鬱になったときの症状を(私自身は、単なる精神的甘え、としか考えていなかった症状)を挙げます。
・眠りのサイクルの崩壊
:まずは夜に眠れなくなります。いくら目を閉じても、眠りに落ちず、静寂の音が殊更大きく聞こえてしまう。仮に眠れても、すぐに覚醒して、寝付けなくなる。その代わりに、午前中と午後に急な眠気に襲われ、2〜3時間程度の浅い眠りに落ちる。あるいは、逆に、過眠に陥って、最悪、まる一日半、目が覚めることもなく眠り続ける。当然、体力が極端に落ちる。
・憂鬱
:常に、なんとなく気が重い。冷静になってみれば、大したことはしていないのに、小さいコトにくよくよし、自分がとてつもない悪人で、人様に迷惑をかけてしまっているという極端な自責の念にかられてしまう。
・食欲, 性欲の減退
:家族と食卓を囲む場合は食べられる。というか、家族が気を使うのが申し訳ないから食べるといった感じになる。多少空腹を感じても、わざわざ飯を買いに行ったり、作ったりしてまで食べる意味がわからなくなる。性欲も同様に極端に落ち、それまでは性的に興奮できたことに興奮できなくなる。というか、非常に下らないことのように思えて、そんなことに時間や体力を費やす気になれない。かといって、その時間や体力を有意義に使えるわけでもなく、ボーっとしてしまう。
・極端な倦怠感
:何をするにも億劫になる。期日を過ぎた重要な書類があっても、「すぐに行動しなきゃいけない」ということは分かっているし、それをする準備は整えられるのだが、実際にそれを、どうしても、行動に移すことができない。約束があったときも、行かなくちゃいけないってわかっているけれども、家から出るその一歩が何故か踏み出せず、どうしようもないから約束を反故にしてしまう謝罪の連絡を入れようとしても、それさえもできなくなってしまう。
・異常なパラノイア
:何か一つのものに、しかも、自分の生活に大した意味が無いとわかっているものに関して、異常に固執する。例えば、同じ曲を、1曲だけを1日中ループ再生で聴き続けるとか、何度もオチまで読んだ小説を繰り返し読み続けるとか。
・生きていることの意味を考え出す
:病的な状態にも関わらず、自分が怠け者で社会的に不要な存在だと感じ、また、趣味に打ち込むことを含め、自分の内的な欲求(食欲や性欲も含む)の意味が理解できず、自分が生きていることの意味って何だろうと、答えの出ない自問を始める。延々考えても、自分が生きていることの意味がわからず、かといって死ぬ意味もわからず、出口のない問の中で、ただボーっと無為に時間を過ごしてしまう。更には、その無為な時間を過ごしてしまった自分はなんて愚かなんだろうと考え、自責の念に駆られる。
このような、異常な精神状態からもわかる通り、うつ病とは、単なる甘え、で捉えきれる範疇をはるかに超越しています。そして、現代医学的には、精神状態の異常とは、中枢神経系の異常状態と捉えるべきでしょう。いわば、脳の情動・モチベーションを司る領域の過渡的あるいは慢性的機能不全でしょう。
抗うつ剤には、いくつかの種類がありますが、その中の一つにセロトニンの分泌を調節するものがあります。セロトニンは、神経伝達物質のひとつで、シナプス間の情報の伝達に使われていることがわかっています。セロトニンレベルの異常で、うつ病やパニック障害、攻撃性の亢進や総合失調症を呈することが報告されており、精神状態の異常に深くかかわっていることがわかります。なので、栄養学的にも、普段の食事の内容を少し変えただけで、鬱の症状が多少改善されるのかも知れません。具体的には、ビタミンB類がセロトニンを生合成する際に使われるので、ビタミンB類の摂取を積極的に行うことで、症状が安定するかもしれません。
いずれにせよ、鬱病は甘えでもなくキチガイでもなく、誰でもかかりうる、放っておくと危険ではあるが、きちんと対処すればきちんと治る病気です。自分自身では気付きにくい病気ですので、身近にいる人の精神状態が上記のような、ちょっと異常なものだと気付いたら、有無を言わさず病院に連行して、医師に相談しましょう。

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