コロンボ:
いやあ、先生、たいへん楽しいですがねえ。
どうも、よく分からないんですよぉ。
だって、そうでしょう。
マリンが最初から出てくるんですが・・・そのぉ
あのイルカ・・・何て言ったかなぁ。
犯人:
ホワイティーじゃないのかね。
コロンボ:
そうそう、その白いイルカと・・・ええと、人魚が出てくるでしょぉ?
犯人:
ネプティーナのことかね?で、君は何が言いたいんだね。
コロンボ:
いやあ、そぉの、主人公のマリンなんですがね、突然、海ん中、あちこち、歩き回ってるんですよ。
おまけにイルカとも・・・話が出来るんですよぉ。
犯人:
ホワイティー。
コロンボ:
そうです、そのホワイティー。イルカです。で、人魚も。
犯人:
コロンボ君、彼女にはネプティーナという立派な名前があるんだがね。
作者に失礼だよ。
コロンボ:
いやあ、どうも、警官なんて商売は、そのぉ、ぶしつけなもんで・・・失礼しました。
アニメについては、あたしゃ、さっぱりなものでしてね。
かみさんは結構、詳しいですがね、あたしらの時代はポパイとか・・・あのほうれん草の缶詰が出てくるやつ。あんなに一気にほうれん草が食べられるものかってね、そう、ガキの時分、試して見ようなんてことになりましてね、あの、ポパイのほうれん草一気に食べるのを・・・・。
犯人:
君、私は忙しい身なんだがね、さっさと用件だけを言ってくれたまえ。
コロンボ:
はあ、スミマセン、まったく、お手間取らせまして。
問題はですね、マリンっていったい何者かって事なんですよ。
普通はですよぉ、アニメの第1話じゃあ、主人公の紹介があるのが自然なんですがね。それがあのアニメじゃあ、そいつが、まったくないんですよ。
これっぽっちも。
イルカや人魚が何者かもさっぱり、説明がない。
そこらが、ひっかりましてねぇ。
あれじゃあ、初めて見るものにはさっぱり分からない。
犯人:
(笑って)ははは、そんなことかね。
コロンボ:
あ〜ん、先生、何かおかしいですか?
犯人:
(笑いをこらえて)いや、いや、どうも失礼。
君はもう少しアニメについては理解があると思ってはいたんだがね。
コロンボ:
いやあ、あたしゃ、ただの警官ですからね。
だから、合点がいかないんですよ。
詳しくないから余計に詰まらんところが、気になるんです。
犯人:
わかるよ。(グラスを置いて)こう考えてみてはどうかね?
マリンもホワイティーもネプティーナも、第1話の時点で、誰もが知っていたとすればつじつまは合うわけだ。
コロンボ:
視聴者がですか?
犯人:
君は知らんのかもしれないがね。
「海底少年マリン」の前には「ドルフィン王子」という作品があったんだよ。それを視聴者が観てたとしたら?わざわざ「海底少年マリン」の第1話で特にその設定を紹介する必要もない訳だ。
コロンボ:
ドルフィン王子?そんなのがあったんですか?
犯人:
左様。
コロンボ:
そりゃあ、気づかなかったなあ。なるほど・・・ドルフィン王子。
じゃあ、それを観ればマリンの正体がわかるってことですかぁ。イルカや人魚との関係も・・・。
犯人:
まあ、観た者がいればの事だがね。ネガは残っておらんよ。
コロンボ:
いやあ、先生、参考になりました。
犯人:
警部としては、どうするのかね。焼かれたネガは観る事は出来んよ。
コロンボ:
確立はひくいでしょうがぁ、まあ、刑事の勘ってやつでしてね。
こういうことは、先生には失礼なんだが、その道の専門家よりもアニメファンの方が、よく知っているもんでしてね。
特に年取った人たちね。
殺されたメチャゴジラさんのお仲間さんなら、そのドルフィン何とか・・をきっと目撃していると思うんですよ。
当時、TVの前でねぇ。
こんど、そっちを当たってみようと思いましてね。
あの方のお仲間さん、結構、ご年配の人が多いですよ。
中には大学の学生さんとかも、いらっしゃるようですが・・・・
きっと、知ってるご友人はコメントくれますよ。
犯人:
どうかね。
誰も憶えちゃおらんよ、そもそもメチャ君は特撮ファンだった。ゴジラとウルトラマンしか頭にない男だぞ、アニメの友はいなかったはずだ。的の外れた捜査はそのくらいにして、そんなことより真犯人を早く挙げることだね。
コロンボ:
(プジョーに乗り込み)はぁい、近く真犯人を必ず挙げてお見せしますよ。
いやあ、先生、また、お手間おかけしました。今度はうちの従兄弟のアニメのビデオを持ってきますよ。まあ、先生には大したもんじゃないんでしょうがぁ。「ミラクル少女。。。」
犯人:「ミラクル少女リミットちゃん」だよ。
コロンボ:
どうも〜。
(車から右手を突き出して振り)去ってゆく。
犯人:
(去るコロンボの車を見送る。その目は不機嫌に光っている)
バカな!ちゅーまー天国のビジターが知っているだって・・・・ 。
(F.O)

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