■今月の本8
◎早稲田大学出版部『物語支那大系(全十二巻)』早稲田大学出版部(昭和四年〜五年)
第一巻「十二朝軍談/列國志前編」(昭和四年五月)
第二巻「列國志後編/漢楚軍談」(昭和四年六月)
第三巻「西漢紀事/東漢紀事」(昭和四年七月)
第四巻「三國志上」(昭和四年三月)
第五巻「三國志下」(昭和四年四月)
第六巻「續三國志」(昭和四年八月)
第七巻「續後三國志前編/續後三國志後編」(昭和四年九月)
第八巻「南北朝軍談前編/南北朝軍談後編/隋煬帝外史」(昭和四年十月)
第九巻「唐太宗軍鑑/唐玄宗軍談」(昭和四年十一月)
第十巻「五代軍談/宗史軍談」(昭和四年十二月)
第十一巻「兩國志」(昭和五年一月)
第十二巻「元明軍談/明清軍談/近世治亂」(昭和五年二月)
■貧弱な書斎のシナ史
私の書斎にあるシナの歴史の本はじつに貧弱です。
小説を除く最初の本は、終戦直後に親戚で貰った中学生向けの参考書『新式東洋歴史辭典』で、人物解説と年表からなっていました。
そらからは世界史の一部とか漢和辞典の附録とか小説の中の解説とかいった程度。
本格的な専門書は『国際通信の日本史』や『発明特許の日本史』を書く必要上購入した『中国科学技術史(上下)』くらいのものでした。
そこで、少しは買わねば――と思っていたのですが、安価でしっかりした内容のシリーズはなかなか見つからず、物語風の陳舜臣『中国の歴史(全15巻)』平凡社を古書で買ってはみたものの、役に立つのは最終巻の年表くらいでした。
邪馬台国問題を知るために正史『三国志』そのものの邦訳本は買いましたが、多数の正史類をこうやって買っていたらたまりません。膨大でしかも研究者による翻訳なので文章がじつに読みにくい。
そういうわけで上記を古本で安く買ったのですが・・・。
■いわれ
元禄から寛政にかけて、日本史に題材をとった軍談ものと同様に、シナの史書を日本人向けに省略翻案した軍談が多く書かれたそうです。
「支那軍談書」と呼ばれていました。
大衆書ですから散逸していたのですが、集めた人がいて、明治四十四年に『通俗二十一史』として出版されまして。
本書はその改訂増補版で、最後のものはずっと後の追加らしいです。
通俗書といっても江戸時代の覆刻ですから、簡単に読めるものではありませんし、資料性はきわめて疑問です。
でも、江戸時代の日本人が支那の歴史をどのように理解していたのかの参考にはなりましょう。たぶん誤解だらけでしょう。
■書影
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