▲出雲井晶さんの本の分析47
◎出雲井晶『教科書が教えない神武天皇』産経新聞ニュースサービス(平成十一年一月)
<九、道中の国神(くにつかみ)たち>
伊波礼毘古命の一行は吉野川を見て感無量でした。
木陰から姿を現した者が、たくみに川で魚を捕っていました。
伊波礼毘古命はお訊ねになりました。
「あなたはどういうお方ですか」
その者は答えました。
「私は国神で名は贄持之子(にえもつのこ)と申します。天神(あまつかみ)の御子が来られると聞いて吉野川の魚をたべていただこうと捕りました」
伊波礼毘古命はとても喜ばれ、河原に祭壇をつくって神に魚をそなえて無事に大和に入ったお礼を述べ、これから成功を祈念しました。
これが縁で贄持之子もお供に加わりました。
この者は大和国宇智郷の阿田村の鵜飼いの先祖です。
神祀りのあと、河原に座ってお供えのおさがりをいただき、元気になって出発しました。
[続く]