◆出雲井晶さんの本の分析45
◎出雲井晶『教科書が教えない神武天皇』産経新聞ニュースサービス(平成十一年一月)
<八、八咫烏(やたがらす)>
伊波礼毘古命は、神子の多芸志美々命(たぎしみみのみこと)、岐須美々命(きずみみみのみこと)やお供の者たちに命じ、山越えの準備をさせました。
里の人たちは、一行のために大切にしていた獣の皮などを差し出しました。
熊野の豪族たちも加わりました。
伊波礼毘古命は道案内の兵とともに先頭に立って進みました。
うっそうと木々が茂っています。
その木々の間から海が見えました。
伊波礼毘古命は天神や海神に祈りました。
そしていくつもの山や谷を越えました。
そのうち、道案内をしていた兵士にも道が判らなくなり、日も暮れました。
翌朝、銀色の雲に乗って高木の神(高御産巣日神)がおすがたをあらわしました。
そして、
「ここから奥への決して入ってはいけない。いま、八咫烏を道案内に差し向けるから、その飛ぶ方向へおすすみなさい」
と言われて、雲の中に消えました。
[続く]