フットスイッチで扉が開閉する手術室に入ると、手術台に乗って下さいと言われた。
手術台は、厚いタオル地みたいなものが引いてあって、かなりフワフワしていて寝心地が良かった。
あとは胸に心電図の電極を着けられたところしか記憶がなく、看護師さんに起こされて気づいたら集中治療室のベットの上だった。
そんな訳で、手術に関してはまったく記憶がありません。
聞いていた手術の流れでは・・・・点滴に麻酔薬が入れられ眠ったところで、吸入麻酔のための気管挿管し、さらに胃内容の逆流を防ぐため鼻孔から胃にカテーテルを挿管、
それから身体に穴を開け、そこから二酸化炭素ガスを注入して腹腔内の視野を広げて、腹腔鏡で見ながら肝臓と胆嚢の間をチタン製のクリップで留め、胆嚢を切除摘出してきたと思う。
あと尿道カテーテルも尿道に挿管されていた。
集中治療室で気がつくと、体中に管やら配線があって身動きが取れず、口にも酸素マスクがされていた。
看護師さんに「今何時ですか」と聞くと、「12時20分」とのこと。
そんなに寝ていたんだと思った。記憶がないので、頭の中は浦島太郎状態である。
両足には、エコノミー症候群と同じように血栓が出来るのを予防するためマッサージ器が着けられていた。
奏功するうちに、嫁さんが来て摘出された胆石を見せてくれた。
俺が麻酔から覚醒されて集中治療室に運ばれる間に、手術を担当した外科医から説明を受けたそうで・・・摘出された胆嚢と胆石を見せられ、胆嚢にコレステロール性のポリープが多数あり、思っていたより胆嚢の炎症が酷かったので、念のため腹腔内にドレンカテーテルを留置してあるとのこと。
胆石は1cmぐらいのが一個あり、表面は小さな突起で覆われゴツゴツしていて、手術直後は緑色の胆汁に染まっていて、まるでマリモのようであったとのこと。
午後3時になって、手術を担当した外科医が来てくれて俺の状態を見て「体動して良いですよ」と言って帰った。
身動きしたくてしょうがないのだけれども、心電図の配線がベットの柵に挟まってまったく動けない、それでもゴソゴソとやっていると看護師さんが気づいたとみえて来てくれた。
看護師さんに「動きたいんだけど、配線で動けない」というと、「上体起こせますか」と聞き、俺が「大丈夫です」というと配線を退けてくれた。
俺が上体を起こすと、「病室に帰りますか」と聞いたので、「はい、そうしてください」と言った。
こんな配線だらけで、このまま一晩ベットに貼り付けさせられたら、かえって具合が悪くなりそうと思っていた俺には、願ったり叶ったりの申し出であった。
自分で歩いて病室に帰ると、尿道のカテーテルも抜いてもらった。それを抜くときの痛さと言ったら、今までの俺の人生最高の激痛であった。
その後も、排尿するたびに激痛に泣きそうになった・・・それが次の日の午前中までは続いた。
これで拷問されたら、何でも吐いてしまいそう・・。
12日間尿道カテーテルを入れぱなしにしたという他の患者さんに聞くと、抜くとき何も痛くなかったが抜いたあと尿が漏れるようになったとのこと・・・12日間も入れると尿道を閉じる筋肉が拡張され痛みもないということか。
大抵は翌日まで集中治療室にいるようで、他の看護師さんにもう帰って来たのと驚かれた。

手術が終わり集中治療室のベットで横になる源次郎

創孔は4カ所で皮膚はテープで留めてある。2.5cmぐらいのへその上の創孔が腹腔鏡を入れた穴で、肋骨の下にある2.5cmぐらいの穴がたぶん胆嚢を取り出した穴で、あと脇腹に1cmぐらいの穴が2カ所あり、一番外側の穴に手術後ドレンカテーテルが留置されていた。2.5cmの創孔二カ所はそれぞれ皮下に3カ所結節が触知できたので、中は3針くらい縫合していると思う。皮膚が赤くなっている所は消毒液で負けたかなと先生が言っていた。

摘出された胆石、最初はもっと緑色であったが、段々と黄色っぽくなった。ピントがボケていてわかりずらいが表面はゴツゴツしている。
下は同じ日に手術した患者さんの胆石を撮影させていただきました。
黒色や黄色の石で表面は滑らかである。
左側が胆管に詰まっていた7個の胆石で、大きい物は2cmぐらいである。右側が胆嚢にあった胆石で大小10個ぐらい。
何でも10年ほど前から痛みを繰り返していたが、翌日になると痛みが消えるので胆石とは思わなかったとのこと。個人病院で診て貰ったこともあったが、胃痛と思っていたので胃カメラを飲んで異常ないと言われそのまま経過・・・超音波検査してあげれば直ぐに診断がついたのにね。黄疸が出て4月29日に内科に入院し、内視鏡で胆管内の胆石の破砕を試みるもダメで、外科に移り手術となる。当然、胆嚢の炎症も酷いので開腹手術となり手術後2週間近く入院していた。4月29日から食事が摂れなく点滴だけであったそうです。よくもこんなに貯め込んだと思ったよ。
<5月26日>
外科に再入院4日目
午前中、腹の痛みが汗が出るほど耐えられなくなったので、点滴に鎮痛剤を混ぜてもらう。
その後は鎮痛剤が効いて、耐えられない痛みではなくなる。
たぶん肝臓にへばり付いている胆嚢を、電気メスで切り離すときに出来た傷の痛みかなと思う。体表にある創孔の痛みではなさそう。
それと気になったことだが、今朝何か身体が焦げ臭いんだけど、これも電気メスで焼き切ったことによるものか。
今朝の回診時に、腹腔に留置されていたドレンカテーテルが抜かれた。抜いた跡はガーゼをあててテープで留めただけであったのでビックリ。人間も丈夫に出来ているものと感心させられた。昼食からおかゆが出た。
<5月27日>
外科に再入院5日目
排便は無いがオナラが出た。
午前中、血液検査とレントゲン検査があった。
昼食より常食が出た。
シャワーに入った。傷は強く擦らなければOKとのこと。
夕方、手術を担当した外科医が来て経過が順調なので、何時退院しても良いと告げられる。さっそく嫁さんに電話すると、明日は迎えに来れないと言うので、明後日退院することにした。まだ腹に力が入らないのでベットから起きるのに一苦労だし、歩けると言っても動くと痛いので前屈みの姿勢で歩いている状態で、退院しても直ぐに仕事に復帰出来る状態でもないが・・・あとは病院にいても自宅にいても同じということらしい。
<5月28日>
外科に再入院6日目
今朝、少量だけど排便があった・・・まだ痛くて息めない。
しかし、日々順調に回復してきているのを実感する。
<5月29日>
外科に再入院7日目
午前中、嫁さんが迎えに来て退院した。傷口が開いたり、傷口から汁が出たり、白い便が出ることがあったら病院に来るようにという注意書きが退院時渡された。
その後2日間自宅で療養して、本来は事務職でないが6月1日から事務的な仕事に限定して職場に復帰し、6月4日からは今まで通り外勤しています。
例の気になっていたことだが、術部の体毛はまったく剃られていなかった。
産毛もそのままあった。
あと皮膚はテープだけで留めてあったので抜糸もなかった。
源次郎の闘病記も今回で最終回です。
胆石症で手術を考えている方々の参考になれば幸いです。
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