北海道新聞社から『北海道の捕虜収容所』白戸仁康著という本が出版された。
良く調べ上げられた労作となっている。
行間が込んでいて読みにくい感があるが、読み易くしようと思えば350ページではとても済まなかったであろうから、造本上致し方なかったのであろう。
日露戦争でのロシア人捕虜、第一次世界大戦でのドイツ人捕虜に対する虐待があったとは聞かないが、太平洋戦争では何故このような捕虜虐待が日常的に行われたのかをもっと深く知りたい気持ちになった。
何がそうさせたのかを・・・
北海道の捕虜収容所での話ではないが、アメリカ人捕虜を処刑したり、生体解剖したなどということは私には常軌を逸しているとしか思えない・・・
戦後60年経った今も日本人を苦しめているのは、戦争に負けたという事実よりも、日本が行った数々の非人道的な行為であるということを改めて思い知らされる本となった。
本の「おわりに」という稿で、1990年にイギリス人捕虜オズワルド・ワインドが日本からの取材者に語った日本人に向けたメッセージ(歴史街道から)を紹介している。
現在の日本は、大いなる力のある国になりました。しかも、その力は、余所から勝ち取ったものではなく、日本人の優れた技能と絶え間ない努力によって、自らの手で造りだしたものであり、使い方次第では、悪にもなれば善にもなるものです。当然、この歌が言わんとする無数とも言える「移ろいゆく心の花」を枯らさずに咲かせ続けるためにも使えるでしょう。もし、その意思があればの話ですが。私はニッポンが、その持てる力でもって、「花」を永遠たらしめんことを心から願わないではおれません。
彼は常に和歌の翻訳書を持ち歩いていたが、帰国後も彼が言うところの「この歌」を覚えていた。
"A thig which fades /With no outward sign /Is the flower /Of the heart of man /In this world!"
色見えで移ろうものは世の中の人の心の花ぞありける 小野小町
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