2005/9/20
僕は今までCSやビデオなどで数多くのヒーロー番組を見てきましたが、ここでは過去のヒーロー番組から時代を追って、45年以上にわたる壮大なヒーロー番組の歴史を紹介します。今回は1971〜72年、いわゆる「変身ブーム」時代のヒーロー番組について語ります。
怪獣ブームから変身ブームへ
1968年3月、人気の野球漫画をアニメ化した『巨人の星』がスタートし、一躍大ヒットとなり、以後『タイガーマスク』『あしたのジョー』などのスポーツものが時代の潮流になり、69〜70年における特撮番組の数は年2〜3本となり、長く続いたのはやはりスポーツものの『柔道一直線』のみという時代でした。また70年1月には、円谷英二監督も帰らぬ人となり、特撮人気に衰えが見始めていた感がしました。
しかし、ウルトラシリーズなど、かつての特撮番組も、再放送で再び人気に火がつき始め、70年10月には週5回のミニ番組『ウルトラファイト』もスタート。
そして71年1月。過去『マグマ大使』などを手がけたピー・プロが、当時話題となっていた公害をモチーフにした怪獣を地球侵略のために送りこむ猿の科学者・宇宙猿人ゴリの活躍を描く『宇宙猿人ゴリ』を製作。それに対抗するヒーロー・スペクトルマンも登場し、やがてタイトルは『宇宙猿人ゴリVSスペクトルマン』に変更。この作品の視聴率はあの裏番組の『巨人の星』を超えることになり、さらに後期は『スペクトルマン』に再びタイトル変更され、路線も一部変更されました。
一方の円谷プロも『ゴリ』開始から3ヵ月後、2年半ぶりに新作ウルトラシリーズの製作に着手します。それが『帰ってきたウルトラマン』です。本作は当時ブームだった青春ドラマを作風に取りいれ、かなりドラマ性を強くした作品でしたが、視聴率は伸びず、そのため18話でウルトラセブンが登場、さらに38話では初代マンとセブンがコンビで登場と、過去のウルトラマンの再出演がなされました。これにより、視聴率や人気も上昇し、本作は一年間放送されました。
そして東映は、石森(後に石ノ森)章太郎先生の『スカルマン』をアレンジした等身大ヒーローが活躍する『仮面ライダー』の放送を開始しましたが、この作品も説明不要のヒットとなり、そのヒットを感じた東映は同年10月、女子層向けの特撮ドラマ『好き!すき!魔女先生』を製作し、14話から変身ヒロイン・アンドロ仮面も登場し、一躍時代は再びヒーロー番組の時代になり、世に言う「変身ブーム」となりました。そして72年は数多くのヒーローがテレビで放送されることになったのです。
この時期の作品を巨大ヒーローと等身大ヒーローに分類すれば、巨大ヒーローは71年末には、円谷プロが初めてウルトラシリーズ以外のヒーローとなった『ミラーマン』を開始、続いて72年春には新ヒーローが過去の円谷怪獣と戦う帯番組の『レッドマン』と『帰りマン』の後を次いだ『ウルトラマンA』を製作。また円谷プロ以外でも、同年秋には『サンダーマスク』『アイアンキング』など、ユニークな巨大ヒーローもぞくぞく登場しましたが、残念ながらどれも短命に終わっています。
一方、等身大ヒーローものは72年春から東映がさいとう・たかを先生の原作による少年2人の合体変身ヒーロー『超人バロム・1(僕のHNはこのヒーローが元ネタです)』と石ノ森先生の作品である時代劇ヒーローの『変身忍者 嵐』を製作、ピー・プロも『スペクトルマン』の後番組にやはり時代劇ものの『快傑ライオン丸』を製作し夏には東映はロボットものの『人造人間キカイダー』、そして円谷プロも『トリプルファイター』で等身大ヒーロー番組に参入。秋は東宝製作による川内康範先生原作の『愛の戦士 レインボーマン』と、まさに数多くのヒーロー番組が作られたのです。
しかし一方、テレビ局側の編成の都合で打ち切りを余儀なくされた作品もあります。たとえば71年末からスタートした宣弘社製作の『シルバー仮面』は当初、等身大のアクションヒーローものでしたが、裏番組に『ミラーマン』があったため苦戦を強いられ、途中で巨大ヒーローの『シルバー仮面ジャイアント』に方向転換するもののほどなくして打ち切られました。これと似たパターンには『ウルトラマンA』と『変身忍者 嵐』、『仮面ライダー』とステージショー形式の作品をテレビ放送した異色作『突撃!ヒューマン!!』があります。
また71年末にはヒーロー番組を扱う雑誌『テレビマガジン』が講談社より発売。30年以上の長きにわたり、ヒーロー雑誌のパイオニアとして今も人気を得ています。
<この時期に放送された主な作品>
71年
宇宙猿人ゴリ/宇宙猿人ゴリVSスペクトルマン/スペクトルマン
帰ってきたウルトラマン
仮面ライダー
好き!すき!魔女先生
シルバー仮面/シルバー仮面ジャイアント
ミラーマン
72年
レッドマン
快傑ライオン丸
超人バロム・1
ウルトラマンA
変身忍者 嵐
トリプルファイター
緊急指令10−4・10−10
人造人間キカイダー
サンダーマスク
行け!ゴッドマン
愛の戦士 レインボーマン
突撃!ヒューマン!!
アイアンキング
ワイルド7
この時期はアニメ作品も『デビルマン』『科学忍者隊ガッチャマン』『マジンガーZ』などが放送され、少しずつ後のアニメブームを予感させるメンバーがぞくぞく登場しました。参考までに72年には『月光仮面』もアニメで復活しています。

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