今回は、兄・姉よりも弟・妹のほうが成績が良い場合の話。
上の子よりも下の子のほうが成績が良い場合は、実はかなり多い。
もちろん、もともと弟・妹の方が「吸収力が良い」「努力家である」ために成績が良い時もあるが、それだけではない。
意外と多いのは、兄・姉の受験での反省を踏まえて、受験勉強の開始時期、塾選び、勉強法など、より適した環境のもとで受験させたからだ。1人目の子の受験で、特に優秀な子でないのにサピックスの合格実績に魅せられて挫折したなら、下の子は、同じ失敗はしないものだ。塾の先生が保護者会で「過去問は最低2回は繰り返してください」と話をしても、2人目の子なら「宿題も多い6年秋に、受験する6校を過去4年間、1回入試と2回入試を解くだけでもやっと。2回なんて到底無理」などと、取捨選択できる余裕ができるのだ。
そして、結構大きいのは、弟が、兄が必死に勉強して合格する姿を見ていることだ。「兄ちゃんは、遊んでサボったから志望校に落ちて後悔し続けている」「必死に頑張ったから合格して、楽しそうに今、中学に通っている」このように、受験はつらい、でも努力すれば合格して楽しい学校生活が待っているということを実感しているだけでも、勉強の姿勢を作る面で大きい。
このように、どちらかといえば、兄・姉よりも、弟・妹の方が成績が良くなることが、少し多そうと言えそうだ。
下の子の方が成績が良い場合は、全体的に精神衛生は良くなる。
弟は、兄より成績が良いのに、テストの点が低いこと自体を問題にして「お前は馬鹿だ」などと叱られることはない。「宿題の手抜きをするな」のように勉強の姿勢に関して叱られることはあるが。
父母も、気分的に良い。兄が偏差値40〜45をウロウロしていて、偏差値50になったら万々歳だったところ、弟は偏差値60を取れていれば、これは気分良い。少なくともイライラしない。
志望校の学校説明会に行くにしても、兄の時には東邦大東邦なんて全く考えられなかったのに、弟の時は志望校の一つになるので説明会に「行ける」のである。東邦の説明会だと同じ説明会場で開成中を狙う優秀生の親とすれ違うのだから、兄の時とは別世界とも感じる。
問題となるのは、成績が低かった兄の立場である。
もう受験が終わって中学に入ったので、今から努力しても別の中学に合格できるわけではない。大学受験で結果を出してリベンジするにしても、大抵はまだまだ数年先で、今努力してすぐ成果が出るとは言い難い。
それでもまだ、兄が細かいことを気にしない楽天家(を装っている)なら救われるが、しんどいことに変わりはない。
兄が成績が低くても辛い立場にしないために、私ならこうする。
(1)普段からテストの結果で、親が一喜一憂しない。成績が上がって一緒に喜ぶのは別に問題ないが、成績が下がったこと自体を叱らない。叱る時は努力をしない時にする。
(2)成績が上がったと言って、ご褒美は出さない。もし出す時は、「塾で目標のクラスに上がったから、努力をたたえて家族みんなでディズニーランドだ」などと、上の子も一緒にご褒美を与える。(私は昔、小テストで1人でも満点を取るとクラス全員にお菓子をあげたことがある。すると、お菓子がなくても成績が良い生徒が良い成績を取ると、他の生徒が喜ぶようになった)
(3)兄が不合格だった学校に弟が受かったらとする。本来なら、自分が届かなかった学校に弟が受かるのは複雑な想いのハズ。自分と弟の差が決定的になってしまうからだ。そんな状況なのに、兄が弟に「俺が受からなかった学校受かって良かったな。おめでとう」と声をかけたら、思いっきり誉めよう。「こんな優しい兄さんになって、うれしいよ」

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