2017/3/27

クレソンサラダをめしあがれ - 正本ノン  Books

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2週間前からこちらでは夏時間が始まり、これまでの時間が1時間繰り上がり(?)ました。今まで夕方の6時だった時間が7時になったということです。

まだ朝には霜が降りるような気候で夏時間と言うのも変ですが、正しい名称は「デイライト・セービング・タイム(Daylight Saving Time)」といい、その名の通り、一日の活動時間内の日照時間を増やすためのシステムです。この制度のおかげで、真夏は夜9時ごろまで外が明るいという、早寝早起き人間には非常に迷惑な事態がおきます。

1時間ぐらいの差なんて大したことはないはずなのに、今年はどうしたことか時差ぼけがちっとも治りません。いつも通りに朝5時に目覚まし時計をセットしていても、無意識に消してしまっているようで(スヌーズ設定じゃないもので)、気づいた時には6時半や7時になっています。こうしていつもより長く寝ているため、夜はいつも通りの時間にベッドに入っても、全然眠くなりません。

その上、先週末は久しぶりに友達が遊びに来てくれて、夕方に一緒に緑茶なんぞを飲んでしまったために、その夜はどんなに頑張っても朝方まで眠れず、途中で諦めて本を読んで過ごしました。

短編小説でも読めばそのうち眠くなるだろうと思って、村山由佳さんの「約束」という短編小説を再読したものの、眠気はちっともやってきません。今読んでいるのはオバマケアに関する英語の本で、目は冴えていても脳がほとんど働いていないような時には内容がまったく頭に入ってこないので、それは却下することにして、本棚を物色していると、ある本が目に留まりました。これ、まだ持っていたんだ、と思いながら手にして、ページをぱらぱらとめくってみると、30年以上も前の自分とその周りの光景がよみがえってきました。

正本ノンさんの「クレソンサラダをめしあがれ」は確か私が高校2年生だった頃に読んだ本です。当時、集英社のコバルト文庫というのがあって(今もあるのかな?)、いわゆるティーン小説を発行していました。当時の私は小説とは程遠い生活をしていて、読書といえばもっぱら月刊の少女漫画雑誌「別マ(別冊マーガレット)」だったわけですが、ある出来事があって3日間家にいなければならないことになり(停学とも言います^^;)、反省の目的で読書でもしなさいと親に連れていかれた書店で買った数冊のうちのひとつが「クレソンサラダをめしあがれ」でした。こんな時にマンガ本を買うわけにはいきませんものね。

コバルト文庫の小説というと、少女漫画を文章にしたような恋愛小説やラブコメ物という印象が強いかもしれませんが、「クレソンサラダをめしあがれ」は少し違っていました。確かに高校生活や受験や恋愛を描いた小説なのだけれど、哲学的なところもあれば、屈折したところもあり、大人になった今この本を読み返してみると、「こんなにしっかりした高校生って、今どきいるかなぁ」と感じます。実際、高2の私はこの話のどこまでを理解していたのだろうと思いました。

あの頃はきっと自分の1年後を見ているような感じで読んでいたのでしょうね。
札幌の進学校に通う主人公と彼女をとりまく友人たちとの不思議な関係を高校最後の1年を通して描いたこの小説には、当時の私の高校生活に似た部分がたくさんありました。ただ、登場人物たちは高校3年生にしてはずいぶん大人な感じがして、そういう部分にも憧れを抱いていたのかもしれません。今思えばかなり恥ずかしいけれど、当時の私はこの物語に大いに感化されて背伸びをした「変な」高校生でした。

あの頃はたった1歳しか違わないこの物語の登場人物たちがとっても大人に思えたものでしたが、自分の姪がこの登場人物たちと同じ年齢になり、受験を終えてこの春から大学生になることを考えると、どうしても同じ視線では両者を見られません。

こんな高校生はいない、などと言っていますが、昔の(私たち以前の)高校生はもしかしたら本当に私たちや今の高校生より精神的にずっと成熟していたのかもしれません。だって、「お蝶夫人」が高校生ですから(笑)。

今回、この「クレソンサラダをめしあがれを」読み返してみて、高校時代の出来事や自分が考えていたことなどを思い出しました。今の私は当時私が想像していた自分とはずいぶん違うし、何にも成し遂げていないなぁという気がするけれど、まだ人生は先があるので精進することにします。

音楽でのタイムトラベルは日常茶飯事だけれど、本は頻繁に再読しているので、今回のように時空を超えることはなかなかありません。この本は20年後ぐらいにもう一度読んで、初回と今回の思い出を呼び戻すことにしましょう。


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