1936(昭和11)年(山田守42歳)竣工の熊本貯金支局(現・熊本市役所花畑町別館)です。山田が逓信省営繕課にいた頃の担当作品ですが、山田には珍しく曲面の少ない直線的なデザインで、むしろ逓信省同僚の吉田鉄郎的な建築です。一方で千葉では吉田鉄郎設計の
検見川送信所の保存運動が盛り上がっていますが、こちらは吉田には珍しく曲面の多いデザインで、窓枠にパラボラ曲線まであって、むしろ山田守的な建築です。真逆なんですね。吉田的、山田的というより郵便関係は直線、電信関係は曲線という位置づけだったのかもしれません。
現在は熊本市役所の花畑町別館として使用されています。残念なことに最近、解体が取り沙汰されているそうです。
(訪問日:2007年9月2日)

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熊本市電の[熊本城]電停から[市役所前]電停までの間の左側に見えます。

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山田らしく角は丸められています。

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竣工時は3階建てでしたが後に4階が増築されています。
後から追加された設備配管が壁面を巡っています。

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訪問した日は日曜日で内部は見られませんでした。

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裏側から

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竣工時の姿です。雨樋の縦樋は3スパンに1本ずつ配置されています。4階増築用に柱の頭が飛び出ています。
(山田守建築作品集・東海大学出版会刊(1968・絶版)p050より)

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竣工当時の平面図。L型をしています。
(山田守建築作品集・東海大学出版会刊(1968・絶版)p049より)
■熊本貯金支局
着工:昭和10年3月14日
完成:昭和11年2月26日
構造:RC3階・地下1階
面積:5,464u
製図:片山隆三、羽石渡、坂元丈夫
監督:板谷富次郎、黒田泰輔、池田、疋田与吉
施工:大倉土木
工費:450,000円
(山田守建築作品集・東海大学出版会刊(1968・絶版)より)
★熊本貯金支局(現・熊本市役所花畑町別館)の地図
熊本の学生達がこの建築の保存活動を行っているそうです。アートポリス事業で全国屈指の現代建築エリアになった熊本ですが、若い方達から過去の建築に対する見直しが起きるなんて、素晴らしいことです。シンポジウムなども行われているようです。
★Archestra-建築創造企画委員会