建築家山田守研究所
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2007/3/15
「山田守の湘南キャンパス構想(その2)」
山田守建築の分析(湘南キャンパス編)
通常、建築を施工する為の図面にその建物以外の将来構想は(何らかの影響がある場合を除き)描かれないものですが、キャンパス2番目の建築で学生寮である望星学塾(現J館・1964/2/28竣工)新築工事の配置図には体育館配置などの将来構想が描き込まれていました。
▲[図2]望星学塾新築工事配置図 80×106cm(建築デザイン学科蔵)
作図された時期は日付の記載が無いので判りませんが(他の校舎図面でも日付の未記載は多い)、おそらく建築の竣工時期からみて1963年またはそれ以前になりますが、2号館の形が違う所を見ると、1963年の官庁提出図面(図1)よりは前であると言えます。いま私が入手している資料の中で湘南キャンパス構想としては一番古いものかもしれません。
▲[分析図2]
分析してみましょう。
1.1号館(1963/5/3竣工)は名称表記は無く輪郭だけの記載。
2.中央通りの北端の処理は未記載
3.サッカー兼ラクビー場、陸上競技場、テニスコートは中央通りの西側にまとめられ、現状よりコンパクト。
4.体育館は道路によせられて構想されている。
5.現2号館、3号館の形状は全く違う。
6.野球場は現状より大きなものだった。
7.ブドウ畑、桃畑がポツリと点在。造成前の農地の生き残りだろうか?
8.中央通りの東側は広大な空地だが、プールが真ん中に置かれている。
9.方位の表示はかなりズレている。
少なくとも、キャンパスの全体計画は1号館と中央通りの軸線を押さえた他は建てながら考えて行ったと言えそうです。
ところで望星学塾の直後または同時に建設された2号館(1964/12/12竣工)図面集の配置図はどうでしょう。
▲[図3]2号館新築工事配置図 80×102cm(建築デザイン学科蔵)
こちらの配置図は将来構想には触れず、敷地内には中央通りと等高線が引かれているだけでした。方位は正確な記述で、日付はありません。
ここで
不思議
なのは10ヶ月前に完成したはずの
望星学塾が未記載
なことです。工期を考えても点線表示すら無いのは不思議な気がします。
これは当時の設計業務が多忙を極め、設計事務所内で同キャンパス内の2つの建物を別チームで担当していたことを示唆しているのかもしれません。
投稿者: グウジ
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大宮司 勝弘(グウジ)
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[作品2]
■
東京家政学院大学
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助手
■
東海大学連合大学院
理工学研究科建築土木コース博士課程
(
岩岡竜夫研究室
)
建築家山田守の研究を進めているグウジです。 山田守は生涯に渡り、時代の潮流から脱する(分離する)ことを試み、新しい建築のあり方を探求しつづけました。時にはそれが物議を醸し非難されることもありましたが、時代の潮流が見えにくくなった現代において、参考になる部分も少なくないように思います。 また山田守の大胆さや豪快さには舌を巻きますが、一方で周囲の人を惹きつける程の面倒見の良さや分け隔ての無い付き合いなど、人としても学ぶところがあります。 ご意見、ご感想を頂けたら幸いです。 どうぞよろしくお願い致します。
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