逃げようとした?
何から?
現実の制裁から?
逃れた先で 罪の清算を迫られると知らず?
信じていたものはただ
見えないくせに形があり
僅かな気位で切り売りされる
捨てられた陳腐な幻
二人は愛を結び 魂を結んだ
離れないように
二度と 届かぬ夢を追わぬように
強く 強く結んだあと
愚かゆえに清らかな
無知ゆえに残酷な
夕闇の微笑を浮かべ
顔なき蛇が導く 禁断の楽園へと
飛び込んだ
一瞬が永遠で
その先が 本当の永遠になるはずだった
肉体が散ったことで 彼らの罪は 裁かれる
愚かな逃避への罪
思い上がった幻想への罪
罪とは
死の代わりに与えられた棺なのか
冷たく重い十字架が
彼らの背中に重くのしかかって
眩い光を暗闇より眺めること
凍てつく寒さを感じることができないこと
閉じられた瞳が開かないこと
希望の階段を転げ落ちること
全てが鎖に絡まれて
罰の味は苦いのだがしかし
失くした環の片割れがあるかも知れぬと
足掻くのだ
ああ それこそが罪だと知らずに
集まった 汚らわしき二つの魂は
神の手で かき回され 引きちぎられ
己たる過去を奪われ
また新たな罪へと
もがき始める
自嘲の輪廻
罪科の輪廻
だがしかし
傷だけは
消えないのだ
投稿者: kannoshoichi
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