「ブレイブ・ストーリー」 著・宮部みゆき
読了ー。
普通に面白かったです。
端的に言えば現代版「はてしない物語」なわけで。
現実世界で困難な事態に直面している少年がひょんなことからファンタジーなワールドを冒険する事になり、さまざまな危機を乗り越え現実に帰ってくる。ちょっとだけ大人の階段を上った少年は”困難な事態”を乗り越えられるようになっていたのでした。
とゆー、良くある物語です。
しかし、そこは天下の宮部みゆき、上手く料理しております。なにより構成が良い。大概こーゆーファンタジー物って現実世界の描写はさらっとすませて異世界に行っちゃう(たぶんそうしないと読者がついてこないんかな。。)んですが、この作品は上巻の約8割以上を現実世界の描写に費やします。ちょっと理屈っぽい父、感情的な母、自由人なルウ伯父さん、親友のカッちゃん、優等生の宮原、転校生のミツル、新発売のゲーム「サーガV」、学校と塾、幽霊ビルの噂…。当たり前の日常を丹念に描くことで主人公・三谷亘と彼を取り巻く環境を読者に浸透させます。宮部みゆきはこうゆう日常描写が本当に巧いですな。別に幻界に行かなくても楽しめそうです。。上巻でしっかり”亘”という一個の人格が描けているため、感情移入しやすく後々の冒険がより楽しく読めます。
そして、幻界に行ってからはその現世を反映した世界描写、人物描写、そしてツボを抑えたストーリーテリングで読者をつかんで離しません。特に下巻の北の大陸に向かい始めたあたりからの流れは、ミツルとの対比も相まってとても面白く仕上がっていたと思います。
ただまぁ…あえて言うなら、世相を反映させた世界設定(”北の選民思想な帝国”の脅威とか、狂信的な宗教団体とか、)に若干臭みを感じないでもなかったです。
ちょっとソレそのまんま過ぎない?みたいな。
あと劇中ゲーム「サーガV」の説明は個人的には凄い好き(てゆーかそれはロマサガそのものだろ)なんですが、ゲームやらない人は読むのしんどいかなと思いました。
最後に自分のダークサイドと戦って、「っそうか。戦うんじゃない、受け入れるんだ!」とかも今どき無しじゃねえかなとかも。
ってまぁいろいろ突っ込みだすと色々あるんですけどね。
そゆうとこには目をつぶりましょう。。
純粋に完成度の高いジュブナイル小説ってのは気持ち良いです。
夢とか希望とか友情とか成長とか。。おお、まぶしいワード達よ
若いってえーなー