映画『ピース・ニッポン』  映画関係

[映画紹介]

日本は自然に恵まれている。
それは、日本の存在する
奇跡に近いような位置が
その原因を作っている。
北過ぎず、南過ぎず、
北緯20°から46°の間という絶妙な位置が
四季の巡りをもたらす。
そして、大陸の東、南北に細長い土地が
多彩な風土を作り上げる。
春には春のよさがあり、
夏には夏の輝きが
秋には秋の趣が
冬には冬の厳しさが現れ、
その自然の変化の中で
日本人の感性が磨かれた。

そんなことを感じさせる映画が「ピース・ニッポン」だ。

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「日本の美しい景色を後世に遺したい」
東日本大震災を経験した日本を愛する映像作家たちの
そんな想いから、この映画は生まれたという。
「日本人がまだ知らない“本当の日本の美しさ”」をテーマに、
約8年間の製作期間を費やし、
全国47都道府県、200カ所以上で撮影した映像を、
「TAJOMARU」などの中野裕之がまとめたもの。
百年先にも、千年先にも伝えていきたい景色の数々で、
あまりに美しく、あまりに繊細な風景に
日本人なら心をつかまれるだろう。

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日本人の自然観に迫る「日本人の精神」
季節の変化を描く「日本の四季」
日本列島の絶景を辿る「一期一会の旅」
という3つの柱でで構成され、
全国のおなじみの、また稀少な風景を映し出す。
これがまた素晴らしい。

熊本地震のため今は見ることができない天空の道
インカ道のようなものがあったことを初めて知った。

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盆地からあふれる霧が町を覆う肱川あらし
本当に幸運の持ち主だけが観ることの出来る光景だ。

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虹色に輝く華厳の滝をはじめとする様々な滝。
北海道の雄大な釧路湿原
紅に染まる秋の瑠璃光院

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春には桜が全国に広がり、

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夏には新緑が生き物の香りを伝え、
秋には紅葉が山々を飾り、
冬には雪の白さが町を覆う。

そして、富士山が日本人の心のふるさととして、
日本列島の中央に存在する。

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地震や台風という自然災害に常におびやかされながら、
守ってきた自然の美しさ。
夜空と海中さえ美しい。

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こうした美しい自然が
日本人の感性を磨き、
精神を作り、
文化を生んだのだなあ、と改めて知ることになる。
日本に生まれたことの幸福
再び感じさせてくれる映画である。

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小泉今日子と東出昌大がナビゲーターを担当。
今どきのドキュメンタリーとは思えぬほど
ナレーションが多い。
ひっきりなしに語りかけられる感じ。
過剰を抑え、
もう少し控え目にはならなかったのだろうか。

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/yS2VS4lEOls

ドローン空撮の予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/kyrUKqHo7-Y

新宿バルト他で上映中。

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映画『菊とギロチン』  映画関係

娘は、今朝、オーストラリアから帰って来ました。

エアーズロックは、

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思ったより険しい登山道で、

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まるでロッククライミングのよう。

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よじ登るように登って、

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頂上で、このようなポーズを。

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「晴れ女」の娘には、今度も天気が味方。
長年の念願を果たして帰国しました。


[映画紹介]

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大正末期。
世界恐慌や関東大震災が起こり、
大杉栄が殺され、
飢餓と貧困が世間を覆っていた不穏な時代。
その時代を切り取るような二つのグループを映画は描く。

一つはアナキスト(無政府主義者)結社のギロチン社の若者たち。
もう一つは女相撲の一座・玉岩興行の女力士たち。
どちらも時代が生み出した、はみ出し者集団だ。

ギロチン社のアナキストたちが
理想を口にするものの、
資本家を脅かして得た金を酒と女に注ぎ込み、
していることと言えば、強がりの議論と蛮勇と
無意味な個人テロに終始しているのに対し、
女相撲の力士たちは、
女というだけで様々な困難な生き方が強いられ、
夫の暴力から逃げて来た者や家出娘や遊女など、
様々な事情を抱えた
駆け込み寺の様相を呈し、
本気で「強くなりたい」という願望により
女として自由になりたいという夢を託した者たちだ。

その二人のグループが
ある漁村で出会う。
その時・・・

まず、女相撲とアナキスト集団の二つを遭遇させるという
着眼点に瞠目した。
風紀紊乱の疑いから常時官憲の監視対象にされているのは、
アナキストの「主義者」と同じ。
大正末期の一時代の雰囲気、
時代の中での閉塞感がよく捉えられている。

女相撲は江戸時代から始まり、
1960年代まで日本に存在した。
私の祖父が隣町の芝居小屋にかかっていた女相撲の力士の中に
早死にした娘に似た子をみつけて贔屓にした、
という話を母親から聞いたことがある。

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その女相撲の描写がなかなかいい。

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ショーアップされたものではなく、全くのガチ相撲。
(日本大学の相撲部の指導を受けたという)

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その迫力ある描写が物語に真実味を加える。

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興行元との関係や土俵作り、
宣伝のために漁村の道を練り歩く姿と
流れる「相撲甚句」。
砂浜で躍り狂う女力士たち。
初めて観る光景に映画の長さを忘れた。

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物語は、力士の花菊と十勝川という二人と、
ギロチン社の中濱鐵と古田大次郎の二人に話がしぼられていく。
特に、朝鮮人の十勝花に対する
在郷軍人の対応が悲惨。
関東大震災の時の朝鮮人虐殺も関係してくる。

背景には、次第に力を増してくる軍部の力と
思想弾圧、貧困の問題が横たわる。
女相撲とギロチン社は
格差のない平等な社会を目指すことで繋がっているように見えて、
アナキストたちは弾圧にあっけなく瓦解していく根無し草だが、
女相撲の方は戦後まで生き抜く。
やはり、女の方が強い。

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題名は、
中濱鐵の
「菊一輪ギロチンの上に微笑みし 黒き香りを遥かに偲ぶ」
という短歌から取られたものだそうだが、
花菊の「菊」と政治結社名の「ギロチン」の関わりのようにも見え、
ルース・ベネディクトの「菊と刀」を想起させる。
発表当初「女相撲とアナキスト」という副題がついていたが、
やがて「菊とギロチン」だけが題名となった。

中濱鐵を演ずるのは東出昌大

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古田大次郎は佐藤浩市の息子で映画初出演の寛一郎

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花菊を演ずるのは、
オーディションで選ばれた木竜麻生(きりゅう・まい)。

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十勝川は韓英恵が演ずる。

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「64─ロクヨン─』2部作を手がけた瀬々敬久監督による
自主制作映画。
クラウドファンディングの方式で資金集めをした。
30年来暖めた題材を映画にした瀬々監督の熱量が半端でない。
画面の向こうからエネルギーがほとばしる。
3時間を越える作品と聞いておじけづいたが、
退屈なく観終えることが出来た。
監督の演出力のたまものだろう。

5段階評価の「4.5」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/8UX6CFXgwKk

テアトル新宿で上映中。
長い映画のためか、料金割り増しなので、注意。


この時代のことを今の物差しで計ることは出来ないが、
背景に貧困が大きく横たわっていることは明白だ。
平等を叫び、自由を叫ぶ若者の意気は当然で、
戦後も革命を叫ぶ集団はあったが、
経済が発展し、富が広く行き渡る中で消滅した。

結局は経済を良くすることが世の中を良くすることで、
ストライキや労働争議が頻発する諸外国に比べ、
日本ではもう何十年もストの声を聞かない。
経済を豊かにすることの方が
革命を叫び、テロで世直しを図ることよりも
はるかに大きな解決策だったのだ。

そういう意味では、
賢人・曽野綾子さんが言うとおり、
日本は国家運営を成功したのだ。
異論はあろうが、
それは、世界を知らないからで、
世界の貧しい地域から比べれば、
日本は天国だ。
世界の不幸な人々の願望を日本人は
生まれながらにして持っている。

戦争のない平和な住環境、
電気もガスも上下水道も交通網も整備され、
食料は豊富、義務教育があり、
医療は世界に冠たる国民皆保険がある。
貧困者は生活保護を受け、
それを目当てに外国から移住してくるくらいだ。
身分制度はなく、移動の自由も言論の自由もあり、
どんなに政府を攻撃しても、
法律に違反しない限り逮捕されることはない。
国会ではどんな理不尽な政府攻撃をしても弾圧されはしない。
戦前とはわけが違う。

親を選べないように、
生まれた国は選べない。
日本人は、日本に生まれたことを感謝すべきなのだ。

ただ不幸なのは、
そのような幸運に恵まれたことを
国民が感じていないことだ。
外に出てみれば分かることなのに。

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映画『セラヴィ!』  映画関係

[映画紹介]

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原題の「C'EST LA VIE! 」は、「それが人生」の意だが、
フランス語原題は「LE SENS DE LA FETE」。
「ごちそうの意味」「パーティーの意味」「人生の意味」など、
様々な意味が重なっている。

ウエディングプランナーのマックスは、
30年にわたって数え切れないほどの結婚式を手がけてきたが、
そろそろ会社を売り払って引退しようと考えていた。

今日はパリ郊外の17世紀の古城を借りての結婚式をプロデュース。
しかし手配上のミスなどが重なって、
集まったスタッフはポンコツばかり。
ウエイターたちはプロ意識がなく、
17世紀の衣裳もカツラも「暑いから着たくない」と言い出す。

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ウエディング・シンガーは代役で、
自分のワンマンショーと勘違いしており、
スタッフともトラブル。
(このスタッフとの関係が思わぬ方向に進む)

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バンドは昼食に食べた腐った肉のせいで腹痛を起こし寝込んでしまい、
専属カメラマンはだらしない格好で、料理をつまみ食いし、
その上、GPSの出会いサイトで相手探しにふける。
スタッフの一人はシェーバーの充電のために
冷蔵庫のプラグを抜いたままにして食材を腐らせる。
新婦を口説くスタッフまで出現する。
新郎も自己チュー男で、

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自分への賛辞を強要、
スピーチに長い時間をかけて参加者をしらけさせる。
マックス自身も妻と別れ話が進行中の上、スタッフと不倫している。
パーティーの最中に現れた不審な男に、
労働監督局の査察官が来たと思ってパニックに陥る。
そして、パーティーの最大の仕掛けで、
大きな手違いが起こり、悲惨な結果に・・・

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という具合に、次から次に起こるトラブルとハプニングに
マックスがどう対処するか。
それをフレンチコメディらしく、
小ネタ満載で展開してみせる。
窮地の連続だが、カメラマンは言う。
「人生の窮地は、長い人生から見れば一瞬の出来事」
人生は楽しんだ方が勝ち。
そして、登場人物の一人が言う。
「人の幸せに寄り添えるなんて、
なんて魅力的な仕事でしょう」


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監督は「最強のふたり」(2011)のコンビ、
エリック・トレダノオリヴィエ・ナカシュ

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マックスにジャン=ピエール・バクリが扮し、ベテランの味。

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その他の出演者たちが、
みんな不思議な魅力で、その上、おバカで笑わせる。

2015年にパリ同時多発テロが起きて、
人々の気持ちが沈んでいた時、
心から笑い、楽しむことが必要とされていたことから、
純粋に騒いで楽しめる雰囲気の作品をつくりたい、
という意図で作られたこの作品、
2017年10月にフランスで公開され、
初週観客動員数1位を記録、
公開1ヵ月で興行収入25億円を突破し、
記録的大ヒットとなった。

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それにしても、
フランス語がこんなにやかましい言語だと感じたのは初めて。
そして、ヨーロッパ人の自己主張はすごい。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/kPeiYKYubCw

渋谷のシネクイント(新装開館。前と場所が違う)他で上映中。


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映画『オンリー・ザ・ブレイブ』  映画関係

このブログのアクセス数に異変が起こりました。
一昨日(7月6日)の午前9時からアクセス数が増加し始め、
昨日(7月7日)一日で1万4千を越えました。
新記録です。

調べてみると、2015年の3月20日に
「麻原の三女と四女」という記事があり、
そこにアクセスが集中しています。
つまり、麻原の死刑後、
検索でこの記事を見つけて訪問して来たもののようです。

その記事は、↓をクリック。

麻原の三女と四女

思いがけない麻原効果でした。


[映画紹介]

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消防士を扱った映画に「バックドラフト」(1991)という名作があるが、
本作に登場するのは、森林消防士。
アメリカは山火事が頻繁に起こり、
住居に迫る火の映像などがよく報道される。
本作は、大規模な山火事に立ち向かった森林消防隊の決死の活動を描く、
おそらく初めての作品。
実話に基づく。

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主人公は、
アリゾナ州プレスコット市の森林消防隊の指揮官マーシュ。
山火事の現場で、火勢を読み、
迎え火を焚いて火をもって火災を抑え込もうと提案するが、
現場の指揮権を持つ米国農務省の“ホットショット(精鋭部隊)”に、
「“市”レベルの消防隊員が余計な口出しをするな」と言われる。
実際、火はマーシュの読み通りに広がり、
肝心のホットショットが退避してしまった現状を見て、
くやしい思いをする。
     
“ホットショット”になりたいという夢を抱いたマーシュは、
市の消防署長で親友でもあるデュエインに、
自分たちのチームを“ホットショット”に認定してほしいと相談する。
地方自治体の消防隊が“ホットショット”に昇格した前例はないが、
デュエインに説得された市長は、審査を受けられるよう手配する。

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やがて、チリカウア山脈で発生した火災の現場で
認定審査を受けることになった。
火を食い止めるために、
マーシュは炎の“燃料”となる木々を焼くという判断を下すが、
審査官はその方法を認めない。
激しい口論となり、マーシュは審査官に
「あんたは黙ってろ!」と怒鳴ってしまう。

結果は、マーシュの提言が正しかったが、
審査官の心証を悪くしたため、
合格は絶望的だった。
副官ジェシーや隊員は、
「審査がダメでも俺たちは森を救ったんだ」と誇らしげに胸を張った。

審査発表の日、
「君たちのボスは生意気だが、君たちは最高の消防士だ」という
審査官からのメッセージと共に
“ホットショット”への昇格が告げられる。

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新たに「グラニット・マウンテン・ホットショット」と命名された隊員たちは、
消火活動で活躍するが、
2013年、
アメリカ史上最も恐ろしい、山を飲み込むような巨大山火事が待ち受けていた。
果敢に防火に挑戦するが、火の周り方は予想を越え、
隊員たちは、「防火テント」を被って火の通過を待つが・・・

という話に若い隊員マクドナウの話がからむ。
麻薬にセックス、窃盗と、堕落した日々を過ごしていたマクドナウは、
別れた恋人が妊娠している事を知り、人生を建て直すために
マーシュ率いる森林消防隊に応募する。

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更に、マーシュの家庭の問題も描く。
危険な仕事ゆえに子供を作らないと決めていたが、
妻は心変わりし、子供を欲しがると共に、
危険な消防隊の仕事をやめるように迫る・・・

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という人間ドラマの部分はややありきたり
それはさておき、
山林消防隊員の仕事は興味津々である。
炎の拡大を防ぐために、
木を伐り、道をならし、帯状の防火地区を作る作業は、
江戸時代の火消しが、
延焼を防ぐために、
火事現場から離れた家屋を倒壊させる姿に通じるものがある。
なによりも、町を守り、住居と住民を守るために
危険を省みず、果敢に火の中に飛び込んでいく消防隊員の姿は、
胸を打つものがある。
男っぽい、体臭がむんむんするような映画である。

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本作では、5件の山火事が描かれるが、
火事現場を作り上げ、撮影するには、
大変な苦労があっただろうと思わせる映像が続く。
実際の火、特殊効果の火、CGの火
三種を織り交ぜて使っているという。
物語の中で防火テントが再三紹介され、
必ず最後に絡んで来ると予想したが、
250度まで耐えられるというテントだが、
あんなもので大丈夫か、と心配した。

指揮官エリック・マーシュを演じるのは
アカデミー賞候補俳優ジョシュ・ブローリン
渋い役者が渋い演技で映画全体を引き締める。
20代の頃、アリゾナ州のボランティア消防隊で
3年間消火活動を経験したという。
エリックの妻アマンダを演じるのは
アカデミー女優のジェニファー・コネリー
プレスコット市消防署長のデュエインを演じるのは
アカデミー俳優ジェフ・ブリッジス

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メガホンを取るのはジョセフ・コシンスキー

米国には約107の森林消防隊があり、
各隊は20名の消防隊員で構成されている。
グラニット・マウンテン・ホットショットは2008年に認可を受け、
米国で初めての地方自治体によるホットショット隊となって、
山火事と戦うために国中を飛び回った。
実際に活動していたのは6年間。
平均年齢は27歳
映画の最後に、亡くなった隊員19名の写真が紹介されるが、
みんな若かったんだな、と実感させられる。
やはり、他者のために犠牲になった人々の姿には、
胸を打たれるものがある。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/A3vsP6Rc3zk

TOHOシネマズ日比谷他で上映中。

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映画『ワンダー 君は太陽』  映画関係

[映画紹介]

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全世界で800万部以上を売り上げた
R・J・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を、
「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキー監督・脚本で映画化。

10歳の少年オギーは、生まれつきの障がいにより、
変形した顔の持ち主だった。
27回の整形手術に耐えてきたものの、
人前では宇宙飛行士のヘルメットを脱ぎたがらなかった。

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オギーは宇宙に憧れ、
「スター・ ウォーズ」を愛する普通の子供だ。
ただ、変わった顔を除いて。

オギーは幼い頃からずっと母イザベルと自宅学習をしてきたが、
ミドルスクールの区切りとなる小学5年生になって
初めて学校へ通うことになった。
父親は「まだ早い」と反対したのを
母親が押し切っての決断だった。

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学校の門までヘルメットをかぶっていたオギーは、
ヘルメットを取り、
教室に向かう。
それを見送る父と母と姉。

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はじめのうちは同級生たちからじろじろ眺められたり
避けられたりし、
昼食時には誰もオギーのテーブルに座らない。
陰で「ペスト菌」だの「ゾンビ」だの呼ばれるオギーだったが、
家族からの深い愛を糧に
強く明るく前へ進んでいく。
時には母親に「なぜ僕は醜いの?」と泣きながら訴えることもあったが、
母親は「顔は人の過去を示す地図だから、
あなたは絶対に醜くないわ」とキッパリと答える。
やがて、友達も出来、優秀なことが分かって、
周囲に変化が見られるようになる。

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このオギーの世界に並行して、
姉のヴィア、
その幼馴染みのミランダ、
初めての友達ジャック
の世界が描かれる。
ヴィアの高校生活も描かれ、
幼なじみの大親友と疎遠になってしまったり、
演劇クラスで知り合った男の子との恋も描かれる。
中でも、演劇クラスで上演される「わが町」のくだりがいい。
「わが町」はソーントン・ワイルダーの
ピューリッツァー賞受賞作で、
装置が簡単で登場人物が多いことから、
高校演劇でよく演じられる。
アメリカの片田舎での人の営みを描いた感動作。

ハロウィン、クリスマス、演劇発表会、
理科研究大会に林間学校と、
アメリカの子供たちの姿を活写する。
そして、1年がたち、修了式を迎えた時、
ある出来事が・・・・

クラスに体の悪い子を一緒にすると、
クラス全体が優しくなる、
という話を聞いたことがある。
まさに、この最後のくだりは、それだろう。

顔がへんだというだけで、
周囲から理不尽な反応を受ける男の子が、
内面の輝きを武器に成長していく物語。
そのやさしさが観客の胸を打つ。

オギーを演ずるのは、
「ルーム」の天才子役ジェイコブ・トレンブレイ

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あまりに特殊メイクが見事なので、
そういう顔の子供を見つけてきて演じさせているのかと思ってしまうほど。

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先のアカデミー賞でメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネート
両親をジュリア・ロバーツオーウェン・ウィルソンが演じて、
暖かい家庭を現出する。

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むしろ、いじめっ子の母親が
この親にしてこの子あり、
という感じで、将来を心配してしまう。

子ども版「エレファント・マン」とも呼ばれる作品だが、
実話ではない。
街で顔面が変形した子に出会った時、
対応を誤ってしまった作者が
想像力とリサーチで書いたものだ。
難しい題材ながら、
うまく料理し、
心地よい感動のドラマとなっている。

「正しいこととやさしいことの間で迷ったら、やさしさを選べ」
という魅力的なセリフも登場する。
時々姿を現すする「スター・ウォーズ」の登場人物が面白い。

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全米で公開されると、5週連続トップ5入りを果たし、
全世界興収300億円を越えた。
良い映画に対しては、観客もしっかり応えてくれる。

5段階評価の「4.5」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/oFyAFL2OmCo

TOHOシネマズ他で上映中。

タグ: 映画




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