『王になった男』  映画関係

〔映画紹介〕

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最近、一時期ほどの精彩が感じられない韓国映画だが、
この一本はお勧めできる。
なかなか見応えのある映画が登場した。

朝鮮15代王・光海君(クァンヘグン)は、
権謀術数渦巻く宮中で
人間不信に陥り、
暴君と化していた。
毒殺を恐れた光海君は、
自分とそっくりの男をみつけだし、
影武者とすることを指示する。
そこで王と似た男探しがされるが、
白羽の矢が立ったのは、
芸人のハソンだった。

おりしも
光海君に麻薬が盛られ、
人事不省に陥った王の代役に
ハソンが立てられる。
その15日間の間、
政治の改革をなし、
疎遠になっていた王妃との関係を回復し、
王の臣下たちから信任を得ていく。
王でない者が本物の王よりも王らしhなっていく。

というわけで、
この手の「影武者もの」は、
黒沢明の「影武者」をはじめ、
チャップリンの「独裁者」や
ケヴィン・クライン主演の「デーヴ」など枚挙にいとまがなく、
一つのジャンルと言っていいかもしれないが、
この「王になった男」は、
その中でもうまく出来ている。

まず脚本がよく、
笑わせる場面、緊迫感に満ちた場面、
泣かせる場面がほどよくちりばめられている。
偽物であることが何時ばれるか、
という危機感がサスペンスを盛り上げる。
秘密を知っているのは、
宮中に二人しかいない。
戸惑いながら王の代役をつとめるハソン。
その前に政治的課題が並べられる。
「よきにはからえ」的にふるまうことを指示されるが、
法案を勉強し、
臣下の実情を学んだハソンは、
次第に独自の言動を取り始める。
それこそ、
国を憂い、民を思いやる心。
廷臣たちは、その変化に驚く。

なにやら日本の政治の世界も彷彿させて、奥が深い。

そして、役者がいい。
光海君とハソンの二役を演ずるイ・ビョンホンは、
王の立場にのし上げられてしまった下賤な男の哀感をよく演じている。
彼を王に仕立てた補佐役ホギュンを演ずるリュ・スンリョンも、
世話係チョ内官役のチャン・グァンもみんなうまい。
王妃役のハン・ヒョジュもきれいだし、気品があり、
物語にときめきを与える。

王宮の建物や衣装の豪華さも目を楽しませてくれる。

題名もよく、
「王に生まれるのではなく、王になる」という皮肉が生きている。

今年第一の収穫
観なければ損をする。

5段階評価の「5」。

タグ: 映画

お葬式  

今日は義兄の葬儀に出席しました。
私の次姉の配偶者が亡くなったのです。

昭和45年に建築事務所から独立して、
都市環境に関するコンサルタント会社を創業し、
筑波学園都市の建設など、
42年間各方面で活躍した人らしい内容の葬儀でした。
無宗教の葬儀ですので、
「お別れの会」と呼んでいました。

3年前に会長に退き、
昨年11月に仕事の全てを次代に委ねて引退し、
今年2月にめまいと吐き気がするので、
検査入院したところ、
胃ガンが発見され、
既に肝臓とリンパに転移しており、
手術も施せない状態でした。

胃ガンの部位が
バリウムを飲んでのレントゲン検査では分からない場所だったことが
発見を遅らせたようです。
胃カメラで診察を受けていれば、
というのが遺族の嘆きです。

入院してわずか3週間でご逝去。
71歳という、あまりにあわただしい逝き方でした。

余命わずかと聞いて
私も入院先を訪れて話もしました。
ご逝去された翌日にご自宅にも。
昨日の通夜のことも含め、
このブログに書くことはありませんでした。

しかし、今日は、
その義兄の生きざまと共に報告します。

棺の蓋が閉じられる時、
その人の真価が分かる、
と言いますが、
通夜も葬儀も
途切れることなく続く弔問の列、
男泣きする沢山の人たち、
感謝と感動があふれる言葉の数々・・・
一人の男の50年近い仕事人生が
完結する姿
でした。

引退後、
「これから遊ぶぞ」と言っていた矢先の発症。
仕事仕事でやってきた人生の最後に
遊ぶことを神様は許さなかったようです。

それもこれも天命、寿命
という言葉がふさわしいのでしょうか。

しかし、発症を予感したかのように
全ての仕事を引き継ぎ、
完了させた人生。
見事だとしか言いようがありません。

残された者の悲しみが癒えるように、
見守っていかなければなりません。

こんなことなら、
もっと交わっておくべきだった、
といういつもの後悔がわき起こります。

ソーントン・ワイルダー作の
ピューリッツァー賞受賞の戯曲「わが町」で、
主人公のエミリーは、
死んだ後、
生前の一日にだけ帰ることを許され、
青春時代の家庭に戻ります。
しかし、
そこで起こっている日常が
どれだけ輝いているか、
人生の一瞬一瞬のかけがえのなさを
その時を過ごす人間たちが気づかずにいることに、
エミリーは耐えきれず、
その時間から立ち退いてしまいます。

それと同じで、
人と人の交わり、
人間と人間の関わりが
どれほど輝いているかは、
人が去ってみなければ分からないのです。

今日は、
健康の大事さ
家族の大切さ
当たり前の生活の中に潜む輝き
知らされた一日でした。



ヨルダン旅行記・10 死海浮遊体験  旅行関係

死海は、
地球上で最も低い海抜マイナス420mのところにあります。

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ヨルダン川が流れ込んだ後、
水がどこにも流れ出ず、
太陽の熱で水分が蒸発して凝縮。
塩分濃度は30%で非常に高く、生物が住めません。
それでDead Sea=「死海」と呼ばれるわけです。

今回泊まったデッドシースパは、
死海で一番歴史のあるホテルです。

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そのプライベートビーチ。

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海と言っても湖ですから、

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先にあるのは水平線ではなく、
対岸のイスラエルです。

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朝早く、水着に着替えて、死海へ。

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普通の海に見えますが、

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なめてみると、
しょっぱい、というより、苦い。

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恐る恐る入ってみると、

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これこのとおり。

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どんなカナヅチでも浮きます。

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添乗員から、
「水に顔をつけるな、
中で目を開けるな」
と注意を受けますが、

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水に顔をつけることはありません。

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しかし、やはりうまいへたはあるようで、
この水泳部の方は、
きれいに浮かびます。

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なにやらバケツの中を見ているのは、

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美容よいいという泥。

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こんな感じです。

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午前中、死海浮遊体験をした後、
アンマン空港に。

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中の土産物店。

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再びアブダビ経由で帰国の途に。

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きれいなアブダビの夜景。

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インドや中国の上空を通って、帰国。

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海外旅行をして帰国して、
まず食べたくなるのは、ラーメン
カミさんに↓のようなラーメンを作ってもらいました。

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10回続いたヨルダン旅行記は、
今回で終わりです。
さて、次の旅行が近づきつつあります。
今度はどこへ行くのでしょうか。





アカデミー賞  映画関係

今日は朝10時半から、
アカデミー賞受賞式生放送がありました。

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もうお勤めしていませんので、
堂々と昼間から生放送を観ることができます。

会場は昨年と同じ場所ですが、
名前が「コダック・シアター」から
「ドルビー・シアター」に変わりました。

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司会は初のセス・マクファーレン

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かなり毒舌できわどいネタを連発する人らしいのですが、
それを気にしたのか、
意外とおとなしい司会ぶりでした。
というか、
それを逆手に取って、
セスの司会を監視するために
23世紀からやってきた
「スター・トレック」のカーク艦長(ウィリアム・シャトナー)との
やり取りが面白い。

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ここで「危険司会」ぶりを
毒のあるミュージカルパフォーマンスで終わらせた感じです。

その中で、
シャーリーズ・セロンのダンスなどが紹披露されました。

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ミュージカル・パフォーマンスは、
「CHICAGO」、

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「ドリームガールズ」、

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「レ・ミゼラブル」の三本立て。

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「007」の50周年記念では、
シャーリー・バッシーが「ゴールドフィンガー」を歌いました。

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他にアデルが「スカイホール」を歌い、

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ノラ・ジョーンズが「テッド」の主題歌を歌い、

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物故者追悼では、
バーバラ・ストライサンドが「追憶」を歌いました。

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助演男優賞は、
意外やクリストフ・ヴァルツ

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助演女優賞はアン・ハサウェイが順当に受賞。

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脚本賞はまさかのクエンティン・タランティーノが受賞。

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監督賞もまさかのアン・リー

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監督賞は、「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー、
「アルゴ」のベン・アフレック、
「ザ・マスター」のポール・トーマス・アンダーソン、
「レ・ミゼラブル」のトム・フーパーらが
ノミネートさえされないという状態。

主演女優賞は、「世界のひとつのプレイブック」のジェニファー・ローレンス
ドレスの裾がからんで転んだのを
ヒュー・ジャックマンがすかさず助けに行ったことで、
ヒューの高感度アップ。

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主演男優賞は、「リンカーン」のダニエル・デイ=ルイス
本命で受賞。

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「3年前に役を交換して〜」
と話し始めて、何のことかと思ったら、
プレゼンターのメリル・ストリープを引き合いに、
「サッチャーを私が演じ、
リンカーンはメリルが演ずることになっていた」
というジョークに会場は爆笑。

そして、作品賞は、
ホワイトハウスからミシェル・オバマ大統領夫人が発表。
本命と思われていた「リンカーン」を
「アルゴ」が逆転して受賞。
監督賞の候補からベン・アフレックが外れたことの
同情票か反発票か。
プロデューサー三人のうち、
一人がまずスピーチし、
共同プロデューサーのベンを
「『アルゴ』の監督、ベン・アフレックです」と紹介。
ベンはかなり熱く語りました。

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その後、共同プロデューサーのジョージ・クルーニーのスピーチはなし。
余裕なのか、
ベンの後で自分がさらっては悪いと遠慮したのか。
ジョージ・クルーニーの大物ぶりが印象付けられました。

終わってみれば、
12部門でノミネートされていた
「リンカーン」は、わずか2部門に留まり、
「ライフ・オブ・パイ」が4部門で最高。
主要6部門は全部バラバラでかぶらず、
今回のアカデミー賞が
本命なしの混戦であったと分かります。

最後のエンドクレジットで
「受賞を逃した人々」をネタに
セスが替え歌をしていたのが、
一矢を報いた感じでした。

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さて、予想投票ですが、
私は作品賞と監督賞、助演男優賞などを大きく外し、
前年より成績は悪かったですね。


作品賞候補のうち、
このブログでの感想は、
↓をクリック。

「アルゴ」
http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20121105/archive

「レ・ミゼラブル」
http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20121225/archive

「ライフ・オブ・パイ」
http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20130208/archive

「ゼロ・ダーク・サーティ」
http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20130223/archive


タグ: 映画

『カラマーゾフの妹』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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第58回江戸川乱歩賞受賞作。

かの有名なドストエフスキー「カラマーゾフの兄弟」の続編
という体裁を取る。

元々「カラマーゾフの兄弟」そのものが、
2部作で、
父親のフヨードル・カラマーゾフの殺害事件以来
13年目が第2作となるはずが、
書かれずじまいだった。

本作ではドストエフスキーを「前任者」と呼び、
作者が「後任者」として、
13年前のフヨードル殺しの真相を解明する、
ということになっている。

本作の主人公は次男のイワン・カラマーゾフ。
内務省未解決事件課特別捜査官のイワンが
故郷スコトプリゴニエフスクに帰って来る。
目的はフヨードル殺しの真相を探るためだ。
事件そのものは
長男ドミトリーの犯行とされており、
ドミトリーはシベリア送りとなり、
現地の事故で死亡している。
しかし、「カラマーゾフの兄弟」の読者は、
犯人はカラマーゾフの妾腹の弟スメルジャコフが犯人であり、
それをそそのかしたのがイワンであることを知っている。

その大枠の中で、
作者は「前任者」の張りめぐらした伏線をときほぐしていく。

いやはや面白い
私が「カラマーゾフの兄弟」を読んだのは、
既に40年も前のことだが、
親切にも粗筋で事件の顛末を語ってくれている。

イワンは多重人格者として描かれ、
重大な人格が「カラマーゾフの兄弟」の中で登場したことになっている。
『悪魔』や『大審問官』まで登場するに至って、うなった。
なるほど、そういうことだったのか。

後半、視点はアリョーシャに移り、
意外な展開になる。
コンピューター理論やロケット理論まで飛び出し、
その後のソ連の人工衛星まで彷彿とさせるところは、
この作者が既存のSF作家である面目躍如というところだ。

そして、最後の30ページで明かされる事件の真相。
まさに「一番犯人らしくない人物が犯人」という
推理小説の王道を行く展開。
フヨードル殺しだけでなく、
ある人物の死にまつわる真実まで出て来て、
「カラマーゾフの兄弟」を読んだ人にとっては驚愕の連続だ。

「もし神がなければ全ては許される」
というイワンの主張が逆転される部分も見事。

遊び心も満載で、
「カラマーゾフの兄弟」の読者も満足させる「続編」。
江戸川乱歩賞にふさわしい作品だ。

応募段階では「カラマーゾフの兄妹」という題名だったのを
出版段階で「カラマーゾフの」としたのも適切。

文豪の作品に新たな光を当てて
新装作品に仕立てたこの小説、
類似作品が出そうだが、
選評で二人の選考委員が注意をううながしている。
「この手はよほどの腕がある人しか実現不能なので、
応募者は安易に真似をしてはいけません」
(石田衣良)
「同じような手はそうそう適用しない、
と今後の応募者たちに警告しておく」
(東野圭吾)





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