今日の日経朝刊からですが、来年5月から適用される外国企業による三角合併の決議要件が「特殊決議」になるかもしれないと記載されています。
新会社法が今年5月に施行され、その際外国企業によるM&Aの手段としての三角合併(外国企業の株式との株式交換による合併)が先送りされましたが、さらにその手段をとるための条件が厳格化されるとなると法律の形骸化を招くことになりかねません。
株主総会決議は普通決議と特別決議、及び特殊決議の3つの決議要件があります。
『普通決議(309条第1項)と特別決議(309条第2項)』
「定足数」=総会を開催するための条件
総会の定足数は同じです。議決権を行使できる株主(総議決権)のうち、議決権の過半数を有する株主が出席する必要があります。
(定款において3分の1以上の割合を定めた場合にはその割合以上)
「決議要件」
決議要件は次のとおり異なりますが、”出席した”株主の議決権であることに変わりはありません。
・普通決議=”出席株主”の議決権の過半数
・特別決議=”出席株主”の議決権の3分の2以上
(定款において3分の2以上の割合を定めた場合にはその割合以上)
普通決議及び特別決議ともに議決権の数が問題となり、株主の数はここでは条件とはなりません。
『特殊決議』
特殊決議は上記の特別決議よりもさらに重い決議要件を必要とします。
「定足数」
規定がありませんので、決議要件は出席株主に限定されません。
「決議要件」は次の2つのパターンが決議される内容により異なります。
1)会社法309条3項のケース
A)”議決権を行使できる”株主の半数以上
(定款において半数以上の割合を定めた場合にはその割合以上)
”かつ”
B)”議決権を行使できる株主”の議決権の3分の2以上
(定款において3分の2以上の割合を定めた場合にはその割合以上)
ここで普通決議や特別決議と異なるのは、A)かつB)であること、及びA)の条件は議決権の数ではなく、株主の数であることが異なります。
株主の数ということは議決権を1個でも持っている人も対象となるので株主の多い会社はその半数以上を集める必要があるのでとても大変な作業となります。
2)会社法309条4項のケース
A)”総株主”の半数以上
(定款において半数以上の割合を定めた場合にはその割合以上)
”かつ”
B)”総株主”の議決権の4分の3以上
(定款において4分の3以上の割合を定めた場合にはその割合以上)
1)の特殊決議と異なるのは、議決権のある株主だけが対象ではなく、総株主(議決権の無い株主も含む)が対象となっていること、及びB)が3分の2ではなく4分の3になりより厳格になっていることです。
2)のケースは配当や残余財産を受ける権利等について、株主ごとに異なる取扱についての定款の定めの変更を行う場合に必要な決議要件です。
外国企業による三角合併の要件は特殊決議1)のケースを想定されているようですが、今の時点ではどうなるか全く不明です。来年1月頃までには決定される予定とのことです。


