カルカッタに「さとし」あり。
彼はサダルストリート脇道の通称「小便横丁」に雑貨屋を構えています。
雑貨屋といえば聞こえは良いのですが、道端にテーブルやゴザを出しただけの露店です。
それでも昔はたしかシール売りでしたので、まあ、緩やかながらも出世しているという見方もありますか。
あ、そういえば彼は日本人ではありません。
典型的なベンガル人の、腹の出たオッサンです。
あまりにも流暢な関西弁を操ることから、誰かが日本名をつけたんだそうです。
一説にはそれは漫画家の鳥山明だとも言われています。
最近は戦場カメラマン渡部陽一ともセッションしたのだとか。
有名人なんです。
facebookに画像をアップしたら、ナガランドの首狩り顔面タトゥーなんぞはそっちのけでコメントの嵐でした。
日本の旅行者のコミュニティーという限定で考えるならば、おそらくインドのどの映画スターや歌手、あるいは政治家よりも知られていると考えて差し支えはないでしょう。
とにかく「変なインド人」として定評があるようです。
さとしさん、この前、僕が相談に乗った新事業「さとしエンタープライズ」の件はどうなりましたか?
「まあ、ぼちぼちでんな。あ、これ、新しく刷った名刺ですわ。」
…ティートレーディング&ヘナペイント…。え?紅茶とヘナだけなんですか?二人で考えた数々のいかがわしい事業企画は載せないんですか?
「…せやけどな、あんなもん、オカンに見つかったらドえらいことになってまうやん。」
オカンて…いまさらそういうところを気にするんですか…。ところでヘナなんてやってましたっけ?
「あぁ、それはうちのカミさんな。」
へぇ〜、あのスカイブルーレストランの前あたりでヘナやってる女性が奥様だったんですね。知りませんでした。
「なんでやねん!なんでそうなんねん!!あれただのコジキのババアやんけ!!!オレこれでもブラーミン(ヒンズー社会の最高階級)やねんから。…もう、最近の日本人は冗談キツすぎてよう分からんわ、ほんま。」
わりと普通のインド人なり。
