2009/3/17
いよいよ、光源氏の生涯の妻・紫の上と出逢う物語です。
光源氏は熱病に罹り、加持祈祷を受けますが効果がなく、大変よく効くと評判の修験僧を邸宅に招こうとしますが、老体を理由に断られてしまい、僧がいる北山の寺に出かけられるのでした。三月も末頃なので京の都ではすでに散ってしまっていた桜が、この辺りではまだ盛りで、美しい様子に珍しく思うのでした。
光源氏は誰とは言わずに僧に会いますが、しっかり僧には身分が知れていました。早速僧は加持祈祷をしたのでした。
日が高くなってきてから、光源氏は寺を出て辺りを眺めると、高くなったところにあったので、そこかしこにある僧坊を見渡しやすいところでした。その一つにきれいに小柴垣がめぐらしてあるすっきりとした屋敷があるのが見うけられたのでした。「あれは誰が住んでいるのか」と供使えの者に問いますと、「どこそこの僧都が二年ほど籠もっているそうです」その庭には可愛らしい子どもたちがいて、仏に花を供えたりしているのが見え、若い女房などもいるのが見えるのでした。「まさかあの僧都が隠し妻でもないでしょうが、何者でしょうか」などと詮索しましたが、寺に帰り、昼ごろになると病の発作が出ることが多いので、周りのものは気を紛らわそうと美しい景色のことを光源氏に話すのでした。
その中で、播磨の国の明石浦に住んでいる、前の播磨守であった入道の話が出るのでした。その入道は変わり者で、一人娘を並みのものにはやらないと豪語していると話すのでした。光源氏はその話を聞いてもあまり心を動かされなかったようですが、この後、思わぬことでこの明石の入道と関わりを持つことになるのでした。

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