プロフィール
恋憐歌・万葉集担当:紫苑 東京在住
日記・歴史担当:留美 東京在住

2009/3/1

夕顔 X  源氏物語

 近くにある某院の邸宅についてみると、そこは思っていた以上に荒れ果てた様子で、門も忍草が生い茂っているし、木でたとえもなく暗く、霧も深く湿っぽかったので車の簾を上げさせてあったので光源氏の袖も酷く濡れてしまったのでした。それを見て光源氏は「このようなことは慣れないので・・・」などといったりするのでした。


 光源氏と夕顔西の対に入り、ひと時を過ごしたのでした。昼ごろに光源氏は起きて改めて庭を見れば、非常に荒れていて秋の野原のように風情がないし、池も水草に埋められてとても殺風景になっている。「殺風景なところだけれど、鬼でも私を見咎めないだろう」などといいますが、ここにきてもまだ女の前では顔を隠していることに、女が情がないと思っているのを知って顔をさらし、

 夕露に紐とく花は玉鋒の たよりに見えし縁こそありけれ

 *夕露に紐を解いた花のように、道で頼りが見えた縁ですから

 「露の光やいかに」と女に問います。夕顔は

 光ありと見し夕顔のうは露は たそかれ時のそら目なりけり

 *光があったと見た夕顔の上露は、黄昏時の見間違いでした

 と、かすかに言うので光源氏はその答えに面白いと思います。それでも女は名乗らずにいます。
 夕暮れになってきても光源氏は夕顔と添い寝して、少しずつ打ち解けていく夕顔との逢瀬を楽しんでいましたが、ふと、六条の御息所のことを思い出して、このかわいげな女と見比べて「あまりに思慮深く心苦しい有様を、すこし取り除きたいものだ」と思うのでした。
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